tetu-eng2018-01-14

「総理の夫」
原田 マハ
2016年12月30日第3刷
実業之日本社文庫

正月が明けて、松の内も過ぎたと思ったら、大寒波の襲来で寒い寒い。毎日、桐灰ハルハルのお世話になっています。そういえば、昔は、毎朝、白金カイロにベンジンを入れて腹巻に差し込んでいましたが、今は、そんな人はいないと思っていたら、身近のAくんがいました。ビックリ!

結婚して間もない頃は、まだ、その風習は維持されていたと思いますが、いつの間にか、白金カイロも腹巻も、細君に処分されてしまいました。こっちとらは、田舎の出身、細君は大東京出身なので、どうも、文化に差があるようです。そういえば、ラクダのシャツと股引も、処分されましたね。

このラクダとは、ほんとうに駱駝の毛が材料らしいです。昔は、キャメルの肌着なんて、洒落た商品名だったと思います。そんなもの今は、着ている人はいないでしょう。現代は、ヒートテックの時代です。今年は、「極暖」ですね。でも、日帰り温泉に行くと、たまに、ご老体でキャメルの肌着を召している人を見かけると、なんとなく、懐かしく感じます。

『私の妻は、今日、総理になる。
第111代日本国内閣総理大臣、相馬凛子。
日本初の女性総理大臣が、誕生する日なのだ。』

私は、鳥類学者、凛子の夫・日和。妻が、総理大臣になると、夫は、ファースト・ジェントルマン?というのでしょうか?お隣の韓国では、女性の大統領がいました。ドイツのメルケル首相。以前は、イギリスのサッチャー元首相。日本では、まだ、女性の総理大臣は誕生していません。

そもそも、総理大臣という職は、大変、ハードな役割であり、かつ、大変な重労働な職業ですが、肉体的に女性に適応するものなのでしょうか?ぼくは、古い人間だから、男性と女性の性の違いによる社会的な役割の違いはあってもいいと思っているのですが、そんなことを言うと、怒られそうです。

でもね、男性は、どうやっても子供は生めないし、子供にお乳をやることもできません。また、男性が嫌煙される職業もあります。例えば、最近話題になったのが、保育士さん。女の子の世話を男性保育士にしてもらいたくないとのご意見。まあ、理解できなくもありません。ぼくは、この意見を男女雇用均等という理念で切り捨てる気はありません。

性の違いは、神が決めたものであり、そこには自ずと役割の違いがあってもいいのではないかと思うだけです。ただ、問題なのは、同じフィールドに居る両性が、処遇などで差があってはいけないということですよね。

余談が長くなりました。さて、相馬凛子は、国民から最大の指示を受けながら、政策課題の処理にまい進します。そんな凛子を、夫・日和も支えます。しかし、最大のクライシス。凛子が妊娠しました。うむ、総理大臣が産休。育児休業。さあ、どう乗り越えるか?

『「働く女性が子供を産み、育てやすい社会を整備する」。あなたが、選挙の際に国民に約束したことです。それを実践しなければ、それこそあなたは大嘘つきになりますよ」』