「四人組がいた。」

tetu-eng2018-12-23

「四人組がいた。」
高村 薫
2018年11月10日第1刷
文春文庫

12月23日、早いものです。もう、今年も余すところ、あと1週間となりました。年賀状の宛名書きも書き終わり、すでに、投函しました。いよいよ、カウントダウンですね。

DO you have any plans for Christmas?
I don’t have any plans. But, I and families have a “Christmas cake.”

子供が小さいときには、クリスマスプレゼントに頭を悩ますのも、楽しみの一つでしたが、そんな悩みは、当の昔になくなりました。孫がいれば、それはそれで、また、楽しいかもしれませんが、孫もいないので、夫婦2人と一匹で「クリスマスケーキ」を食べるのが、我が家のクリスマス。一匹が、ケーキ大好きだからね!

『Not even the rain  And not even the wind  Will stop me』

のスピリットで、これからも生きて行こうと思っています。ただし、社会のお役に立つこともないのでは、なんとも、情けないとは思いますが、考えてみれば、今までの人生でも、とても、お役に立てたとは思えないので、「生きていれば もうけもの」ってことでしょう。

このところ心配なのは、世界景気が低調気味で、ダウ平均、東証一部平均は、下降の連続。債券相場も、よろしからず。東証一部平均は、2万円を切りそうで、2年前の相場に戻りそうです。こうなると、投資心理は、いよいよ冷え込み、負のスパイラルに陥るのですが、どうなることでしょう。鳴り物入りソフトバンクは、初値から下がりっ放し、手を出さなくてよかった。

どうも、今年の年末は、いい話がないね。みなさん、どうですか?

って、ことで、「四人組がいた。」という痛快なるユーモアー小説が、唯一、爽快なる雰囲気を残しました。奥深い山村、限界集落なんて、そんな生易しいものではない。そこの郵便局兼集会所に日々たむろする四人組。元村長、元助役、郵便局長そしてキクエ小母さん。ジジィとババァ。そして、山に棲む四足ども・・・タヌキ、いのしし、うさぎ、りすなどなど・・・

人間も四足も一緒になって、巻き起こすドンちゃん騒ぎ・・・こんな世界は、現実ではないことは、解っていますが、こんな世界があったら面白い。行き着くところは、閻魔さんと阿弥陀さままで、お出ましになってのブッラクコメディ。長寿社会は、地獄と極楽の大不況とは、よく言ったものです。

閻魔さま曰く

『「地獄に落ちる者が減ったということは早い話、冥銭が入らんということだし、この世もデフレで貧困世帯が増えているせいか、近ごろは冥銭をもたずにやってくる死者までおるのでな。ともあれそういうわけで、お恥ずかしい話だが、現状を言えば、赤字続きで焦熱地獄の釜の火も止めるほかなかったし、焦熱と大焦熱を合併縮小したり、等活地獄を廃止したりもしたのだが、現業のほうのリストラだけでは追いつかないので、いまでは書記官も自宅待機さあせておるありさまなのだ」』

阿弥陀さま曰く、

『「正直、善男善女しかいない浄土って退屈なのよね。救われた歓喜や幸福な安寧なんて、たまにしかないからありがたいんであってね、無量劫の時間の全部が喜びだけなんて、マジで地獄よ。喜怒哀楽のある地上世界って、ほんと最高。だから、たとえ生老病死があっても、やっぱり地上がいいというのがあたしの結論だけど、立場上、浄土に戻らないわけにもいかないし、」』

やれやれ、閻魔さまも、阿弥陀さまも、悩みが深いですね。