■ワン公との彷徨
2月11日は、月曜日ですが建国記念日で休日です。建国記念日は、神武天皇が即位した日ということで、明治の頃から紀元節と呼ばれ国民の祝日としても、最も、古くに制定された日です。世の中では、様々な主義主張があり、この日は、特に、我が国の天皇制に対する主義主張が、以前は、よく議論されていたものです。以前はというのは、最近、このような議論で、賑わうことがないという意味で、もっとも、国民が、今日が、何故、休日であるのか、それさえも興味がなくなっているのが昨今でしょう。私も、その一人です。
その休日の午前中は、先週週末とは打って変わって、青空が広がり、暖かい冬の日となりました。早速、自転車に乗り、テニスラケットを背中に背負って西神テニスコートにテニスに出かけましたが、流石に、この天気の良さに引き出されたのか、コートは、満員御礼の盛況ぶりでした。そこで、今日は、テニスをあきらめ、相棒のワン公とウォーキングを兼ねた散歩に切り替えようと、自宅に逆戻り、突然の帰宅に、細君も、キョトンとした顔で私を迎えます。
「どうしたの?」
「うん、満員御礼。暖かいから、皆んな出てきたみたい。散歩に出るよ。」
細君は、私の言葉から、状況を理解して、早速、ワン公の身支度に取り掛かり、ワン公は雪の日とは、人いや犬が変わったように元気に玄関に駆けつけて、私に、飛びかからんとする勢いでした。私も、テニスラケットを置き、絵手紙の水彩用具と携帯折りたたみ椅子をリュックに入れて、用意万端。それでは、相棒のワン公をお供に「出発進行!茄子のおしんこ!」
「それで、どこへ行こうか?」と、先ほどの勢いとはかけ離れた質問を細君に問いかける。細君は、ちょっと、呆れ気味に、「滝川二高の方向に外周園路でも歩けば!」と、的確なる指示を出し、私とワン公は、その指示に従い、勇んで家を後にしました。
それから、約2時間にわたる私とワン公の彷徨が、始まりました。途中で、立ち止まっては、携帯折りたたみ椅子に腰掛け、水彩画を描き、また、公園の芝生で、ワン公を遊ばせ、さらに、滝川二高のグランドでサッカーの練習試合を見物したり、そのうちに、春日台のコープまでたどり着きました。この辺りで、ワン公は、疲れて来たのか、私の膝に前足で飛びつきながら、私に抱っこをせがむようになりました。ワン公に限界が来たようです。
ワン公の足の長さは、約20センチ。歩幅は、約6センチ程度。とすると、人間の歩幅が、約60センチ程度とすれば、何と、ワン公は、私の約10倍の歩数を歩いている計算となります。帰宅までに、約1万歩ほど歩いているので、ワン公は、約10万歩も歩いたことになります。さらに、前脚と後脚がありますので、その倍の約20万歩も脚を動かしたこととなるのでしょうか?サプライズです。約7キロの小さな体で、どこにそんなエネルギーが隠されているのか?
漸く、ワン公との彷徨を終えて、帰宅しましたが、途中、玄関に日章旗を掲げているお宅は、1軒のみでした。私の子供の頃には、祝日は、玄関に日章旗を掲げることが常識でしたが、今では、その常識が非常識になっているのでしょうか。残念ながら、我が家にも、日章旗はありません。