「羊と鋼の森」

tetu-eng2018-04-01

羊と鋼の森
宮下 奈都
2018年2月10日第1刷
文春文庫

桜の花が、一気呵成、満開となりました。先週は、コートが必要、今週は、夏日という天候不順には、老体がついていけず、鼻水が垂れてしまいます。って、それは、花粉症の所為でしょうか?風邪と花粉症の見極めは、目が痒いかどうからしいですから、ぼくは、目が痒いので花粉症ですね。

桜に話を戻しますと、この様子では、入学式の頃には、散ってしまいそうです。子供の入学式といえば、小学校のみ出席した記憶があります。そのときは、満開の桜の下で記念撮影をしました。それ以後、入学式も卒業式も、細君にお任せでした。思い返せば、子供との思い出のページを失っていたのですね。時は戻りません。

そんなメランコリーな気分になる春の桜の季節です。

羊と鋼の森本屋大賞受賞作です。受賞のときは、単行本なので、高くて変えないので、いつも文庫本になるのを楽しみにしながら待っています。この作品もそうです。タイトルからは、どういう内容なのか判りませんし、なんとなく意味不明って感じですが、これ、ずばりピアノのことです。ピアノを弾く人は判るのかな?

ピアノのことは、まったく判りませんが、ピアノの蓋?を開けると、そこには、羊と鋼の森が広がっているらしいです。ピアノの鍵盤を叩くと、音が鳴りますが(当たり前か)、これは、フェルトでできているハンマーが弦を叩いて音を出す仕組みだそうです・・・って判るかな?このフェルトは羊毛が原料らしいです。当然、弦は、鋼が材料であり、ピアノの中には、これらがいっぱい詰まっており、まるで森のようである・・・ってこんな説明いるのかな?

高校生のとき、体育館でピアノの調律を見た主人公の外村くんは、ピアノの調律師を志し、専門学校に通って、資格を取得し、調律師として働き始めます。この外村くん、ほんわり系の好青年。先輩の調律師の指導?を受けながら、また、いろいろなお客様、ピアノと出会いながら調律師として成長していく・・・・物語です。

宮下さんの小説は、はじめて読みましたが、温かさが伝わってくる文体、文章ですね。

この小説を読んで、ピアノの基準音が「ラ」であることを知りました。そして、モーツアルトの頃と比べて、基準音が高くなっていること(422ヘルツ→444ヘルツ)も知りました。ピアノの基準音が高くなっているということは、音の世界・・・音楽が作り出す音の世界は、どんどん明るい音に変わっているということですね。

なぜでしょうか?ぼくは、光と関係があるように思います。世界は、電気の普及にしたがい明るくなっているからではないでしょうか?これって、研究してみると面白いかも・・・・もう、だれか研究しているでしょうが・・・小説って、勉強になるよね。