「夢見る帝国図書館」

「夢見る帝国図書館

中島京子

文春文庫

2022年5月10日第1刷

 

喫茶CHERRY 元町商店街界わいには、おおくの純喫茶があります。創業1963年。もうすぐ60年です。店内は、細長い「ウナギの寝床」みたいですが、なんとなく、落ち着く雰囲気があります。そうそう、今、純喫茶が人気とのことですが・・・。

 

 

今、世界の合言葉は、「NO WAR PLEASE」です。

 

「声明」って、ご存知ですか?

 

「声明」とは、法要儀式に際し、経文や真言に旋律抑揚を付けて唱える仏教声楽曲で、日本の音楽の源流と言われている、らしいです。

 

そういえば、「謡い」「小唄」なんかに、どこか似ているかな?

その「声明」のリサイタル?を聴きに行きました。場所は、西脇オリナスホール。コロナの影響のため2年越しの開催とのこと。

 

開会とともに、舞台には、兵庫県真言宗のお寺の僧侶9人が並んで、合唱します。

 

圧巻は、「大般若転読」です。「大般若転読」とは、大般若波羅蜜多経六百巻を転読する法要らしいです。ぼくたちが知っている「般若心経」は、この「大般若波羅蜜多経六百巻」の要約版らしいです。

 

これを、すべて唱えるのは大変なので、「大般若転読」という、まあ、簡便な方法でのお唱えです。

 

具体的には、経本を玉すだれのようにめくって「転がして読む」、大きな声で経本をたたきつけて、その音で「魔」を打ち払います。また、転読で生じる風、「梵風」が、会場内に充満することにより、ご利益をうける・・・ということらしいです。

 

これは、なかなかの迫力でした。

 

最後は、会場の観衆みんなで、「般若心経」の大合唱で、2時間のイベントの閉幕でした。

 

わっ、余談が長くなりましたが、「夢見る帝国図書館」。

 

タイトルは、お堅いイメージですが、戦後混乱期を生き抜いた「喜和子」さんと、作家の「わたし」の穏やかで、緩やかな交流記。

 

「喜和子」さんのことをもっと知りたい。「わたし」のそんな想いが、図書館の物語と共鳴しながら物語が語られます。

 

お堅い話をすると、「帝国図書館」とは、現在の「国立国会図書館」の前進です。

 

『「ねえ、どうして、図書館ってものが作られたのか、あんた知ってる?」

「どうしてって。本をみんなに読ませようと思ったんじゃないですか?」

「そうね。まあ、当たってなくもないけどね」

福沢諭吉がね、洋行したわけよ そして帰ってきて言ったわけ。『西洋の首都にはビブリオテーキがある』って」

「なんだか料理名みたい」

「それでみんなびっくりして、そりゃ作らなきゃならんてことになった」

「それがスタートですか!」』

 

現在、上野にあった「帝国図書館」は、「国立国会図書館国際こども図書館」になっています。そうそう、神戸にも、最近、「こどもの本の森神戸」がオープンしました。コロナの関係で、予約制とのことで、残念ながら、入館できませんでした。