「家康、江戸を建てる」
門井慶喜
平成30年11月30日初版
ご存知、大坂城は、豊臣秀吉が、1590年代に築城。その後、大坂冬の陣・夏の陣で落城し、消失して埋没。二代将軍徳川秀忠の時代に再築された。その後、戊辰戦争で焼失して遺構のみになった。
その後、1931年、市民の募金を基に現在の天守閣が再建されたとのこと。先の大戦でも、天守閣は焼け残ったとのこと。
すっかり、秋めいて、スポーツの秋。バレーボール男子ワールドカップ、杭州アジア大会、ラクビーワールドカップなどのテレビ観戦を愉しんでいます。
とくに、面白かったのは、杭州アジア大会のバスケット女子の日本対中国の決勝戦。残念ながら、72対74で惜敗しましたが、終了間際に同点から勝ち越されてしまったきわどい勝負でした。
そして、同じくサッカー女子の日本対北朝鮮。北朝鮮のラフプレーが心配されましたが、ノーマルな試合展開。7割がたは、北朝鮮のペースの試合展開。ところが、前半は1対1で終了し、後半、日本の3連続得点により、結果は、4対1で金メダル。
今日の楽しみは、バレーボール男子ワールドカップの日本対アメリカと、ラクビーワールドカップの日本対アルゼンチンです。
どちらを観ようか?男子バレーは、パリ五輪の切符はゲットしたので、ラクビーを、みんなで応援しよう。おっと、「どうする家康」はどうする?BSで観よう。
余談はここまでで、「どうする家康」も残り3か月。いよいよ、関東への国替えとなり、家康の江戸の開発が始まります。
そこで、ピッタリの本が本箱に眠っていました「家康、江戸を建てる」。門井慶喜さん。以前、直木賞を受賞した「銀河鉄道の父」(宮沢賢治とその父の物語)を読んだときに併せて買ったものだと思います。
家康が江戸に足を踏み入れたとき、
『江戸城の東と南は、海である。沿岸のところどころに藁葺きの民家がさびしそうにかたまっているのは、漁師町にちがいなかった。
西側は、茫々たる萱原。
北は多少ひらけている。みどり色にもりあがった台地にそって農家がぽつぽつならんでいるのは、唯一、心をなごませる光景だった。
「ここを、わしは大坂にしたい。」』
まずは、大湿地帯の江戸の地の地盤改良。湿地の原因である利根川水系の大改修。この工事の差配を命じられたのは、伊奈忠次、以後、3代にわたって、大規模治水工事の差配。
この時代、利根川の河口は、江戸湾、これを現在の鹿島灘へ改修。何とも、壮大な河川改修工事です。
重機のない時代に、どうやって・・・。人力とは、凄いものです。
この小説は、「流れを変える」(利根川の改修)「金貨を延べる」(貨幣経済の確立)「飲み水を引く」(上水の整備)「石垣を積む」「天守を起こす」(江戸城改修)の5話。
徳川幕府260年の礎を築いた大プロジェクト事業の物語です。