「ビブリア古書堂の事件手帖 ~扉子たちの継がれる道~」
三上 延
2024年3月25日初版
「智恵子のあじさい」
ご存知ですか?神戸文化ホールの大壁画。智恵子とは、高村千恵子・・・そうです。高村光太郎の「智恵子抄」の智恵子さんです。
「あどけない話」の「智恵子は東京には空がないという」このフレーズです。
智恵子は、紙絵の創作をしていました。このモザイクタイルの壁画の原画が、智恵子作です。
神戸文化ホールの建て替えで、この壁画はどうなるのでしょうか?
今週、元町高架下を一番区から七番区まで歩きました。JRの耐震補強工事で店舗はすべて立ち退き、今、工事中ですが、未着工のところ、すでに、完成しているところは歩くことができます。
「モトコウ」は、戦後の闇市の流れということですが、以前は、狭い通路の両脇に小さな店舗が軒を並べて雑多な商売が繰り広げられていました。
古着屋、電気屋、レコード屋、靴屋、食堂、なんだかわけのわからない雑貨、とにかく、ブラブラしていると物珍しいものもありました。
ただし、夜は、ちょっと、入りにくい雰囲気を醸し出しているデープな場所でもありました。
今は、三番区、七番区の一部が完成して、綺麗なモールになっていましたが、まだ、お店が入っていません。やがては、様子が変わって神戸の新名所になるといいのですが・・・。
「戦後は遠くになりにけり。」
ということで、今週は、何と、2年ぶりの続刊の「ビブリア古書堂の事件手帖Ⅳ~扉子たちと継がれる道~」です。
おさらい、ビブリア古書堂は、篠川栞子と大輔が営む鎌倉にある古本屋ですが、古本以外に古書にまつわる相談も受けています。栞子は、古書の知識が豊富、大輔は、本を読むと頭が痛くなるといコンビです。
シリーズは、栞子がメインのものが1~7まで、栞子の娘扉子がメインのものが1~4までと続いています。ぼくと栞子さんとの出会いは、2011年なので、もう13年のお付き合いとなります。
今回の古書にまつわる相談は、「鎌倉文庫」に係る内容でした。
『「鎌倉文庫は鎌倉に住んでいた文士たちがそれぞれの蔵書を持ち寄って始めた貸本屋だったの。中心になったメンバーは高見順、久米正雄、川端康成、中山義秀・・・彼らが友人知人に広く協力を呼びかけて、千冊ほどの本が集まったといわれているわ」』
そのなかに、夏目漱石の次男伸六が協力した夏目家の蔵書が含まれていた。鎌倉文庫の印の横に漱石山房の落款のついた「道草」の行方は?
鎌倉文庫という貸本屋は、実在したそうですが、それ以外は、当然、フィクションです。夏目漱石の蔵書が含まれていたことも?
今回のビブリア古書堂は、夏目漱石に関する情報が満載です。漱石の初心の方は参考になります。
そこで、漱石推しのぼくは、漱石の読みなおしを決断。岩波、文春、新潮を書店で見比べて、新潮文庫を買い直して全巻読破予定。2年はかかるかも。まずは、「猫」から。