「廉太郎ノオト」

「廉太郎ノオト」

谷津 矢車

中公文庫

2023年9月25日初版

 

「Lili」

久しく水彩画から遠ざかっていると、いつの間にか、固形絵具にひびが入っていました。古い画材なので、買い直さなければ駄目でしょうが、結構、高価なので諦めて、墨で描いてみました。

「うむ!」白黒の世界も面白いかも!ちょっと、水墨画でも勉強してみようかな。本を買うのももったいないので、「You Tube」をとりあえず見てみようかな。

 

 

便利な世の中です。

 

最近は、何でも、You Tubeが教えてくれます。水墨画で検索すると、「あるわ!あるわ!」だだし、どのチャンネルが、自分に合っているかの見極めは必要です。

 

ぼくの音楽趣味のウクレレは、1年前から、「あるチャンネル」で基礎練習をしていますが、20~30分ぐらいの番組なので、とても手軽です。しかも、ときどき、音楽理論も教えてくれます。

 

ウクレレは、数か所のカルチャースクールに行ったり、有料の通信のワークショップにも参加したことがありますが、どれも、あまり、長続きしませんでした。そのため、何年たっても、初心者の域を出ない体たらく。

 

漸く、何となく、長続きしているチャンネルを見つけましたが、まあ、これも、自主練習ですから、効果は期待できないかもしれませんね。結局は、才能がないってことでしょう。ってことで、自分が楽しめればいいや!と、あきらめ気味。

 

ところが、明治の初め、日本に才能豊かな青年が現れました。その名は、「滝廉太郎」。

 

「廉太郎ノオト」は、彼の生涯の物語です。

 

滝廉太郎といえば、「荒城の月」。学校の音楽の授業で習いました。日本人が初めて作曲した西洋音楽と言われています。そのぐらいの知識。この本で、この知識にプラスされました。

 

滝廉太郎。最年少で東京音楽学校に入学。予科生、本科生を経て研究科院生そして講師となる。さらに、ドイツに留学するが、留学中に結核を患い、道半ばにして帰国、その後、23歳の若さで亡くなりました。

 

滝廉太郎は、作曲を手掛けて、組曲「四季」、「幼稚園唱歌」などを残しましたが、実は、当代一のピアノの演奏家だったのです。

 

『「何をやるの」

モーツァルトの『ピアノとバイオリンのためのソナタKV380』」

・・・・

廉太郎のピアノが音色を変えた。今の今までよりも音の一つ一つがシャープにそして清涼なものへと変わった。

廉太郎は高鳴る心音と共に鍵盤を必死で叩いた。もはや何かを考えている暇はなかった。あらん限りの技術を用いて曲を追いかけ、次々にやってくる幸のバイオリンの暴風に耐えた。』

 

 

幸田幸(当時、バイオリンの天才と呼ばれていた)のバイオリンとの重奏の一シーンです。

 

ちなみに、「廉太郎ノオト」のタイトルは、「ノート」ではなく「の音」という意味だと、今、気づきました。

 

音楽って、面白いですね。