「妄想国語辞典2」

「妄想国語辞典2」

野澤幸治

扶桑社

2020年9月4日第1刷

 

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SCHOOL NOTE 何の変哲もない学習ノート。セリアで買ってきました。税込み110年。これ、懐かしい「英習罫」です。うむ、何かと言うと、英語学習帳です。中学1年生の時、みなさん、ご厄介になったと思います。このノートが、「あること」に利用できるのです。

 

 

さて、「あること」とは?

 

ウクレレファンにとって、とても、便利に活用できること。

 

実は、「ウクレレ タブ譜」に利用できるのです。 「驚き!」

 

タブ譜」って何?という方。簡単に言うと、ウクレレの楽譜です。ウクレレは、弦が4本。このノートは、「英習罫」なので4本の罫線が引いてあります。利用の例の写真を掲載しています。

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たとえば、「YouTube」でウクレレの「タブ譜」を公開しているチャンネルがありますが、これを書き写すのに、とても、便利なのです。

 

なお、15段と13段がありますが、13段の方が行間に、ゆとりがありますね。

ウクレレファンのあなた、是非、ご活用ください。

 

ウクレレファンでない方、これから、ウクレレに限らず、なにか、楽器の演奏を趣味にすると、「ボケ防止」になるらしいです。ぼくのウクレレも、そのためですが・・・・。

 

今週の読書雑感は、ちょっと珍しい読み物。

 

細君が、本を読んでいるので、「なに、それ?」と声をかけると、「これ、メルカリで買ったの」とのこと。その本が、「妄想国語辞典2」。「面白そうなので、読んだら貸して」と言うことで、借りて、パラパラと読みました。

 

小説ではなくて、そうですね、言葉遊びのようなものです。「くだらない」と言ってしまえばそれまでですが、何となく、うなずける「妄想」もありますが、書店で買うか?というと、まあ、メルカリかな。

 

『機内で忘れものを思い出す

 【意味】もう手遅れなこと

【例文】「なあ 俺たちまだやり直せるだろう」「無理よ。機内で忘れもの思い出したもの」』

 

さて、理解できましたか?この類の言葉遊びが、「あ行~わ行」まで、まさに、国語辞典のスタイルです。挿絵は、松重豊さんの、渋い顔の街角ショット。これが、なかなか、スパイスになっています。

 

面白そうなものを、もうひとつ、紹介します。

 

『高速のETCバー

【意味】ギリギリ過ぎてヒヤヒヤすること

【例文】うちの夫は、いつも確定申告に行くのが遅くて高速のETCバーなの。ほんと嫌になっちゃう」』

 

これは、納得できますが、例文が今一かな。

興味がある方は、どうぞ。

「沈黙のパレード」

「沈黙のパレード」

東野圭吾

文春文庫

2021年9月10日第1刷

 

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尾道水道をゆく 久しぶりに、駅前渡船で尾道水道を渡りました。平成10年から平成11年にかけて約1年間の尾道の単身赴任生活でしたが、とても、懐かしさ「いっぱい」です。そして、何時も口ずさむのが「海が見えた。海が見える。五年ぶりに見る、尾道の海はなつかしい。」(林芙美子「放浪記」)

 

 

日本、関西、兵庫、そして、神戸では、コロナが落ち着て、まことに、結構なことでございます。最近は、神戸では、「感染者なし」という日も、チラホラ。

 

このチャンスを逃すまじと、あちらこちらから「忘年会」のお誘いあり、忘れられたと思っていましたが、ありがたいことです。ぼくは、誘われたら断らないという基本方針。

 

しかし、12月に入って、もう、4回をこなすハイペース。細君からは、いつもより多いんじゃない、と冷ややかな視線。しかも、これからが、本格的なシーズンイン。これで、感染したら、何を言われるかわからない。いや、それより、体が慣れていないので、健康を害しそうです。

 

それでも、一片の自制心は働いており、昔のように午前様ということはありません。マスク会食、4人以内、2時間程度というルールは守っています?したがって、21時ごろには、帰宅して、お茶漬け食べて、静かにご就寝です。

 

みなさま、忘年会は、しっかりと感染症対策をして、楽しんでください。

 

さて、珍しく、サスペンスノベルです。

 

皆さんご存知の久しぶりのガリレオこと湯川准教授の登場です。いえ、准教授ではなく、教授に昇進していました。警視庁捜査一課の草薙刑事は、警部で係長に昇進しました。

 

都下の菊野町で、歌手を志していた沙織が突然、失踪。3年後、静岡のゴミ屋敷で焼死体として発見。殺人事件として、捜査がはじまり、逮捕されたのは、23年前、少女殺人事件で草薙警部が逮捕して無罪となった男だった。

 

そして、今回も、被疑者は、徹底した黙秘で証拠不十分で処分保留となり、釈放された。ところが、その男が、菊野町のお祭りのパレードの最中に殺された。

 

そのとき、湯川は、パレードを見物して、被害者の遺族が経営する料理屋で食事をしていた。

 

『「年に一度のパレードの最中、殺人容疑で処分保留中の人物が謎の死を遂げた。そして被害者の遺族たちには絵に描いたような鉄壁のアリバイがある。これを単なる偶然と片づけられるほど、僕は能天気な人間ではない」

だが草薙にいわせれば、もう一つ偶然がある。そんな出来事に湯川が絡んでいることだ。』

 

この小説を読むとき、人気テレビドラマ「ガリレオ」の出演者、湯川教授(福山雅治)、草薙警部(北村一輝)、内海薫女性刑事(柴咲コウ)が、二重写しとなって、ぼくの頭の中で空想する。

 

人差し指で眼鏡を少し押し上げて、「面白い」って、湯川准教授役の福山の名セリフ、さらに、大泉洋が、福山の物まねで「洋ちゃん、スターも楽じゃないよね。」こんなシーンまで空想してしまう。

 

小説は、物語の中の登場人物と一緒になって、物語の世界を彷徨う。もちろん、登場人物を空想するのも、楽しみの一つです。「ガリレオ」は、映像の記憶があるので、その空想がリアルになる。

 

これも、小説の楽しみ方ですよね。

「沈黙のパレード」

「沈黙のパレード」

東野圭吾

文春文庫

2021年9月10日第1刷

 

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尾道水道をゆく 久しぶりに、駅前渡船で尾道水道を渡りました。平成10年から平成11年にかけて約1年間の尾道の単身赴任生活でしたが、とても、懐かしさ「いっぱい」です。そして、何時も口ずさむのが「海が見えた。海が見える。五年ぶりに見る、尾道の海はなつかしい。」(林芙美子「放浪記」)

 

 

日本、関西、兵庫、そして、神戸では、コロナが落ち着て、まことに、結構なことでございます。最近は、神戸では、「感染者なし」という日も、チラホラ。

 

このチャンスを逃すまじと、あちらこちらから「忘年会」のお誘いあり、忘れられたと思っていましたが、ありがたいことです。ぼくは、誘われたら断らないという基本方針。

 

しかし、12月に入って、もう、4回をこなすハイペース。細君からは、いつもより多いんじゃない、と冷ややかな視線。しかも、これからが、本格的なシーズンイン。これで、感染したら、何を言われるかわからない。いや、それより、体が慣れていないので、健康を害しそうです。

 

それでも、一片の自制心は働いており、昔のように午前様ということはありません。マスク会食、4人以内、2時間程度というルールは守っています?したがって、21時ごろには、帰宅して、お茶漬け食べて、静かにご就寝です。

 

みなさま、忘年会は、しっかりと感染症対策をして、楽しんでください。

 

さて、珍しく、サスペンスノベルです。

 

皆さんご存知の久しぶりのガリレオこと湯川准教授の登場です。いえ、准教授ではなく、教授に昇進していました。警視庁捜査一課の草薙刑事は、警部で係長に昇進しました。

 

都下の菊野町で、歌手を志していた沙織が突然、失踪。3年後、静岡のゴミ屋敷で焼死体として発見。殺人事件として、捜査がはじまり、逮捕されたのは、23年前、少女殺人事件で草薙警部が逮捕して無罪となった男だった。

 

そして、今回も、被疑者は、徹底した黙秘で証拠不十分で処分保留となり、釈放された。ところが、その男が、菊野町のお祭りのパレードの最中に殺された。

 

そのとき、湯川は、パレードを見物して、被害者の遺族が経営する料理屋で食事をしていた。

 

『「年に一度のパレードの最中、殺人容疑で処分保留中の人物が謎の死を遂げた。そして被害者の遺族たちには絵に描いたような鉄壁のアリバイがある。これを単なる偶然と片づけられるほど、僕は能天気な人間ではない」

だが草薙にいわせれば、もう一つ偶然がある。そんな出来事に湯川が絡んでいることだ。』

 

この小説を読むとき、人気テレビドラマ「ガリレオ」の出演者、湯川教授(福山雅治)、草薙警部(北村一輝)、内海薫女性刑事(柴咲コウ)が、二重写しとなって、ぼくの頭の中で空想する。

 

人差し指で眼鏡を少し押し上げて、「面白い」って、湯川准教授役の福山の名セリフ、さらに、大泉洋が、福山の物まねで「洋ちゃん、スターも楽じゃないよね。」こんなシーンまで空想してしまう。

 

小説は、物語の中の登場人物と一緒になって、物語の世界を彷徨う。もちろん、登場人物を空想するのも、楽しみの一つです。「ガリレオ」は、映像の記憶があるので、その空想がリアルになる。

 

これも、小説の楽しみ方ですよね。

休日のつぶやき、「高齢者とデジタル」

休日のつぶやき、「高齢者とデジタル」

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多可町休暇村 多可町って、ご存知でしょうか?


西脇市から山に向かって進むと、そこが多可町。アバウトですね。自然の紅葉をみるために、行ってきました。ほんと、自然ですね。京都のように、人工的な紅葉とは、ちょっと、違ってワイルドだね(古いか!)


この町のAコープに焼き鳥の屋台が出店していますが、ここの焼き鳥が絶品。細君ともども、気に入っています。と言っても、2回目ですが、今度は、親子丼に使ったらいいかも。と、細君と意見一致。

 

若宮正子さん、ご存知でしょうか?


「世界最高齢プログラマー」・・・御年83歳・・・今、世界が注目するご婦人。


80代でゲームアプリ「hinadan」(高齢者対象)を開発したとして、アップル社の世界開発者会議に招待されたとのこと。


先月、「あさイチ」のプレミアムトークに出演、ぼくも、興味を持って、お話を伺いました。


いわく、「高齢者こそデジタルを活用するべき」


そりゃそうです。居ながらにして、様々なことを可能にする「デジタル」の活用は、高齢者にとって、もっとも、有用なことかもしれません。


と、理解はできますが、アプリ開発までは、とてもとても。


そこで、ぼくは、遅まきながら、まず、身近の支払い手段のデジタル化の拡大に着手。

 

なんて、大袈裟な切り出しですが、「pay pay(残高払い)」を始めました。


これまで、「D払い」だけでしたが、利用可能店舗数が少ない、ポイント払いのみの店舗(マクドナルド)、D払いだけの店舗(喜久屋書店)、両方可能な店舗(ジュンク堂)、と、使い勝手がややこしい。


さらに、来年から小銭の両替が有料になるとのこと。つまり、貯金箱に小銭を溜めて両替すると、手数料がかかるということです。そこで、小銭は、溜めないように(某郵便局員)。


ということが、主な理由です。


そして、「pay pay」のお得情報で、「pay pay祭」で40%還元、さらに、今月は、神戸市では、20%還元セール。これって、支払代金に応じて、ポイントとして、バックがあるってこと。


さらに、さらに、このポイントを自動的に投資に回すと配当もあるってこと。さらに、さらに、さらに、この配当は、非課税ってこと。


すごくないですか。


もちろん、D払いもポイントがたまります。なんと、ドコモ利用者には、お誕生月に3,000ポイントのプレゼントもあります。もちろん、D払い投資もありますよ。


小さいことから、コツコツと、もう、年金生活で、貯金を取り崩す世代ですが、ささやかな、貯蓄の楽しみになりますよね。


これに限らず、クレジットの利用明細書のペーパーレス化。対応していないと、毎月、90円、年間1,080円の手数料が天引きされます。


あれやこれや、高齢者も、デジタルから目を背けず、どうせ、時間があるのだから、じっくり、勉強する必要がありますね。


もう一度、「高齢者こそデジタルを活用するべき」(若宮正子)

 

「その話は今日はやめておきましょう」

「その話は今日はやめておきましょう」

井上荒野

毎日文庫

2021年4月30日第1刷

 

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丹波市柏原「東京屋」 丹波市柏原をブ~ラブラ。ここは、織田信長の弟信包の末裔が治めた柏原藩の陣屋があります。趣のある小さな街です。古い商家の建物をリフォームしたクリーニング屋さんがありました。なぜか?屋号は「東京屋」。

 

 

今週の「カムカムエヴェリバディ」は、1945年終戦の年。岡山空襲で安子のお祖母ちゃん、お母さんが亡くなりました。そして、終戦後、安子のお父さんが亡くなりました。

 

最後のナレーション、「翌朝、金太が亡くなったとの知らせがありました。」えっ、どういうこと?と思った視聴者は沢山いたと思います。ぼくも、出征した算太ではなく、お父さんの金太?

 

このあと、「あさイチ」の鈴木アナは、号泣。

 

そして、安子の夫、稔の「戦死公報」。これは、ドラマとして、予想していたので、あ~、やっぱり。「あさイチ」の鈴木アナ、連日の訃報にも耐えて、涙うっすら。

 

やれやれ、やってくれましたNHK。朝ドラ史上、例を見ない「泣かせ」の連ちゃんでした。残るは、出征した算太の消息は?来週は、笑いたいが・・・・。

 

余談は、ここまでです。

 

先日のブログで予告した瀬戸内寂聴の不倫の恋人の娘(下品かな?)井上荒野さんの「その話は今日はやめておきましょう」を読了しました。

 

「夫 昌平72歳」と「妻 ゆり子69歳」の老夫婦の物語。

 

65歳まで働き、定年後、嘱託勤務していたが数年前に辞めた。それを機に、二人でクロスバイクを購入して、少し、遠出を愉しみながら、穏やかに暮らしていた老夫婦。長男と長女は、すでに独立。

 

ところが、昌平が事故で足を骨折。一気に、不自由な生活となった。

 

ある日、リハビリの帰宅中。雨に降られて、老夫婦がオタオタしていたら、一人の青年が声をかけ、タクシーの手配など助けてくれました。

 

そのことが縁で、この青年の一樹に、病院への送迎、家の掃除などを手伝ってもらうことになります。

 

ちょっと設定に無理があると思いますが、老人は、親切にされると、その人が「いい人」だと信じてしまうのでしょう。

 

もちろん、昌平とゆり子が、手放しで信じたわけではなく、一樹について、いつも、疑心暗鬼になりながらも、なんとなく、彼を受け入れてしまうのです。

 

『今、テラスでガーデンチェアに向かってペンキを吹きつけているが、もう何年も何年も前から知っている青年であるように思えてきた。実際、一樹の作業を眺めるのはゆり子にとってはすっかり馴染んだことだった。馴染んでいる、という実感が嬉しくて、頼もしくもあった。その感触が、麻酔薬のように自分のどこかを麻痺させているようでもあったけれど、それが悪いと思わなかった。』

 

やがて、ゆり子は、家の中での異変に気がつきます。

 

ちょっと家族小説のようで、ちょっとサスペンスぽいくだりもあり、平易な文章スタイルなので、一気に、読んでしまいました。

 

昌平、ゆり子夫妻・・・ぼくと同年代。まだ、若い者に、じじい、ばばあ、とは呼ばれたくはない。

「渦  妹背山婦女庭訓 魂結び」

「渦  妹背山婦女庭訓 魂結び」

大島真寿美

文春文庫

2021年8月10日第1刷

 

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明石上の丸教会 明石城から天文科学館辺りをブ~ラ・ブ~ラとしていたら、お寺や神社のほかに、キリスト教教会がありましたよ。さらに、ちかくの本松寺に、ジャイアント馬場のお墓がありました。奥さんが明石の出身ということで、こちらでの埋葬を希望されたそうです。16文キック。32文ダブルキック。

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コロナ感染者数がさざ波になってきました。が、ニュースによると、欧米や韓国では、感染が再爆発しているとのこと。日本でも、第6波への警戒感はあるものの・・・。

 

昨年の第1波の頃、日本は、欧米に比べると感染者が少なく、日本または日本人には、何か「ファクターX」なる要因があるのではないか?と、山中教授が言っていました、今、また、日本は、諸外国とは、異なった傾向です。

 

なぜでしょう?感染症の専門家も解らないようです。とにかく、コロナという感染症は、解からないことだらけ。21世紀、自然に対して、科学が、こんなにも無力だと思い知らされるホモサピエンスです。

 

そうは言っても、検査薬、ワクチン、治療薬など、ホモサピエンスも知恵を絞って、コロナの克服に精を出しています。これが、「進化」と言うものでしょうか?

 

余談は、ここまでで、今年一番の(本当に一番の)おすすめの小説です。感想・・・「面白かった・・・ぼくは」

 

大島真寿美さんの小説は、たぶん、初見だと思います。この小説、直木賞及び高校生直木賞(高校生が選ぶ1年間でもっとも面白かった本)を受賞しています。

 

シチュエーションは、ときは、江戸時代中期(1700年中頃)、場所は、大阪の道頓堀、主人公は、近松判二。

 

タイトルの「妹背山婦女庭訓」(いもせやま おんなていきん)は、人形浄瑠璃の演目の一つです。「妹背山」とは、奈良の吉野川を挟んだ「妹山」と「背山」。「婦女庭訓」とは、女子用の教科書。らしいです。

 

ここまでで、大方、この小説の内容が想像できたと思います。

 

そうです。人形浄瑠璃のお話です。大阪道頓堀は、人形浄瑠璃のメッカ。しかし、歌舞伎人気に押されて、竹本座の人形浄瑠璃は瀕死の状態。そこで、起死回生の演目を書き出したのが近松門左衛門の硯を引き継いだ近松判二。

 

「妹背山婦女庭訓」が書き出されるまでの浄瑠璃作家の熱量に圧倒されます。浄瑠璃の世界は、人の世を映し出す。その作家は、わが身を削るようにして、作品を生み出していく。

 

『ままならぬのが人の世だ。艱難辛苦に翻弄され、泥にまみれていくのが人の世だ。醜い争いや、失望や、意図せぬ行き違い、諍い、不幸な流れ。辛い縁に泣き濡れて、逃れられぬ定めに振り回されていくばかりが人の世だ。

それなのに、なぜうつくしい。

悲しみも嘆きも、苦しみも涙も、なぜうつくしい。

そうよな。

それが操浄瑠璃よな。』

 

ああ!この本を読めば、あなたは、きっと人形浄瑠璃を見たくなります。なお、人形浄瑠璃は、現代では「文楽」と呼ばれています。

「新版 歎異抄」

「新版 歎異抄

千葉乗隆 訳注

角川ソフィア文庫

令和3年6月15日26刷

 

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KOBE(明石海峡大橋) 令和4年の年賀状を購入しました。そうか、令和4年は、寅年。毎年恒例、年賀状に貼り付けるスケッチを描きました。橋のスケッチを貼り付けるようになって、もう、15年は過ぎたかな?ブログの読者へ先行してのご披露です。

 

瀬戸内寂聴さんが、99歳でお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。

 

なんといっても、70歳を過ぎてからの「源氏物語」の現代語訳は、大いなる偉業だと思います。文庫本で10巻。もう、ぼくには、読む気力はないです。

 

昨年、「寂聴 般若心経 生きるとは」を読んで、寂聴さんに傾倒。すぐに、「寂聴 観音経 愛とは」を購入。そのうち、熱が冷めて、本箱で待機中。早速、今、読んでいる本を読み終えたら、こちらに移ろう。

 

と、思っていたら、井上荒野さんは、寂聴さんの恋人の娘さんとの情報をキャッチ。亡くなると、いろんな話がでてくるものです。先日、井上荒野さんの新刊を買ってきたので、どっちを読むか、うむ、思案中。

 

そんなことを考えていると、NHK「あさイチ」に湊かなえさんが出演。湊さんといえば、「イヤミス」の女王。「イヤミス」とは、読んだあとに「嫌な気持ちになるミステリー」。生まれは、因島。現居住地は、淡路島。

 

ということで、なんとなく、遠くの親戚気分で、彼女の本は、数冊、読んでいますが、「イヤミス」ねえ?言われてみれば・・・・、でも、現在、1年間の休暇中とのこと。充電期間なのでしょう。充電後を期待。

 

話が、あっちこっちに飛んでしまいましたが、今から、寂聴さんの特番が組まれるでしょうが、樹木希林さんのように、死して寂聴人気が、沸騰するかも。本屋さんは、寂聴さんの本の平積みが始まっているでしょう。

 

さて、突然の「歎異抄」。

 

先日、「ブックカフェ 歎異抄」というオンライン読書会に参加しましたので紹介します。随分、抹香臭くなったな!と、思うかもしれませんが、宗教色は、ほとんどありません。

 

歎異抄」とは何か?というと、著者は、親鸞の弟子である唯円と言われています。唯円は、1288年没らしいので、鎌倉時代ですね。親鸞の没後、親鸞の発言や行動の備忘録を記したものらしいです。

 

長いものではなく、「前編」序文、第一条~第十条、「後編」第十一条~第十八条、後記、の構成です。原文を読んでも、チンプンカンプンなので、現代語訳と対比しながら、読みますが、まあ、それでも、意味を理解するのは容易ではありません。そこで、読書会で講師の先生から説明を受けながら、理解を深めていこうということです。

 

オンライン読書会が、どういったシステムかというと、「zoom」を利用したものです。コロナ以降、「zoom」と言うソフトがポピュラーになってきましたが、無所属のぼくは、利用する機会がありませんでしたが、今回、パソコンに「zoom」をダウンロードして、体験することができました。

 

初回は、第一条について、1時間程度の解釈説明があって、そのあと、感想を述べあいますが、なんとも、便利なシステムです。まあ、ちょっとした会議であれば、これで、コミュニケーションはバッチリですね。

 

それにしても、司馬遼太郎が、「無人島に1冊の本を持っていくとしたら『歎異抄』だ」と言ったらしいですが、その意味が分かるのは、「うむ!」難しい感じですね。