「沈黙のパレード」

「沈黙のパレード」

東野圭吾

文春文庫

2021年9月10日第1刷

 

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尾道水道をゆく 久しぶりに、駅前渡船で尾道水道を渡りました。平成10年から平成11年にかけて約1年間の尾道の単身赴任生活でしたが、とても、懐かしさ「いっぱい」です。そして、何時も口ずさむのが「海が見えた。海が見える。五年ぶりに見る、尾道の海はなつかしい。」(林芙美子「放浪記」)

 

 

日本、関西、兵庫、そして、神戸では、コロナが落ち着て、まことに、結構なことでございます。最近は、神戸では、「感染者なし」という日も、チラホラ。

 

このチャンスを逃すまじと、あちらこちらから「忘年会」のお誘いあり、忘れられたと思っていましたが、ありがたいことです。ぼくは、誘われたら断らないという基本方針。

 

しかし、12月に入って、もう、4回をこなすハイペース。細君からは、いつもより多いんじゃない、と冷ややかな視線。しかも、これからが、本格的なシーズンイン。これで、感染したら、何を言われるかわからない。いや、それより、体が慣れていないので、健康を害しそうです。

 

それでも、一片の自制心は働いており、昔のように午前様ということはありません。マスク会食、4人以内、2時間程度というルールは守っています?したがって、21時ごろには、帰宅して、お茶漬け食べて、静かにご就寝です。

 

みなさま、忘年会は、しっかりと感染症対策をして、楽しんでください。

 

さて、珍しく、サスペンスノベルです。

 

皆さんご存知の久しぶりのガリレオこと湯川准教授の登場です。いえ、准教授ではなく、教授に昇進していました。警視庁捜査一課の草薙刑事は、警部で係長に昇進しました。

 

都下の菊野町で、歌手を志していた沙織が突然、失踪。3年後、静岡のゴミ屋敷で焼死体として発見。殺人事件として、捜査がはじまり、逮捕されたのは、23年前、少女殺人事件で草薙警部が逮捕して無罪となった男だった。

 

そして、今回も、被疑者は、徹底した黙秘で証拠不十分で処分保留となり、釈放された。ところが、その男が、菊野町のお祭りのパレードの最中に殺された。

 

そのとき、湯川は、パレードを見物して、被害者の遺族が経営する料理屋で食事をしていた。

 

『「年に一度のパレードの最中、殺人容疑で処分保留中の人物が謎の死を遂げた。そして被害者の遺族たちには絵に描いたような鉄壁のアリバイがある。これを単なる偶然と片づけられるほど、僕は能天気な人間ではない」

だが草薙にいわせれば、もう一つ偶然がある。そんな出来事に湯川が絡んでいることだ。』

 

この小説を読むとき、人気テレビドラマ「ガリレオ」の出演者、湯川教授(福山雅治)、草薙警部(北村一輝)、内海薫女性刑事(柴咲コウ)が、二重写しとなって、ぼくの頭の中で空想する。

 

人差し指で眼鏡を少し押し上げて、「面白い」って、湯川准教授役の福山の名セリフ、さらに、大泉洋が、福山の物まねで「洋ちゃん、スターも楽じゃないよね。」こんなシーンまで空想してしまう。

 

小説は、物語の中の登場人物と一緒になって、物語の世界を彷徨う。もちろん、登場人物を空想するのも、楽しみの一つです。「ガリレオ」は、映像の記憶があるので、その空想がリアルになる。

 

これも、小説の楽しみ方ですよね。