「ジャンプ」
2024年3月20日初版第1刷
ビールフェス
コロナ五類から初めてのGW。各地でフェスが大流行り。ハーバーランドでは、肉フェス、ワンちゃんフェス。モザイクでは、ビールフェス。
肉フェスとワンちゃんフェスの隣り合わせで、肉の匂いで、ワンちゃんが大騒ぎ。そりゃそうでしょう。
その他、ニュースでは、全国各地で様々なフェスが賑わっていたようです。
GW後半、久しぶりにモザイクに行きましたが、すご~い人、人、人。
日本経済復活の狼煙を上げるような「鯉のぼり」が青空に映えています。
新装なった神戸ポートタワーが見えますが、以前より、赤の色が薄く感じられます。
と、余談は短めにして、今週の作家、
佐藤正午さんの「月の満ち欠け」(2017年直木賞受賞)は、古典作品がメインの岩波文庫のラインナップに入っているという、ちょっと、珍しいものです。当時、岩波のパロディとも言われました。
そして、今度は、光文社文庫から、作家デビュー40周年を記念して新装版を3か月連続して刊行。第1段が、この「ジャンプ」(2000年刊行)です。
うむ、ミステリー小説?
簡単にストーリーを紹介すると、ある男が、失踪した彼女の行方を追いかけますが、謎(事件性のない謎?)が多くて、ちっとも、真相が判明しません。そのうちに、5年が過ぎ、男は、別の女性と結婚。
ところが、ある日突然、再会して、真相を知ることになります。
何となく、メロドラマっぽくもある。
『一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。
しかも皮肉なことに、カクテルを飲んだ本人ではなく、そばにいる人のほうの運命を大きく変えてしまう。
これは『格言』ではなく、個人的な教訓だ。
あるいはもっと控え目に、僕自身のいまの正直な思いだと言い替えてもいい。
僕は常にそのことを頭の隅に置いたまま、五年にわたる事件の経緯について語り続けてゆくに違いないから。』
さあ、ミステリーの始まりはじまり。ワクワクしながら読み進めていきますが、ちっとも事件は起こらない。
そのうち、失踪した彼女の身に偶然と偶然が重なり合って、瞬く間に、5年の歳月が経過。でも、彼女は、なぜ、男に連絡しなかったのか?そこが、謎?
ミステリーと思わせて、どんどん読者を引き込み、「何だ~」と、作家の術中にハマってしまうということか。