騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編 上」
村上 春樹
平成31年3月1日初刷発行
新潮文庫

前回に続き、4月1日に新元号が発表されました。

そこで、友人の書家のAくんの書による「令和」を、彼には無断で借用します。なかなかの達筆でございます。

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ついでに、「令和」の出典も借用します。
「初春の令月(れいげつ)にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す。」とのこと。

「平成」も最初は、なんとなく慣れませんでしたが、「令和」もそのうち慣れるでしょう。でも、最近、西暦表記が多いので元号を使う頻度は少なくなっています。ぼくの会社のオフイス、自宅のカレンダーに元号の表記がありません。ときどき、「今年は、平成何年だっけ・・・・」ということもあります。

元号なんていらない・・・って人もいますが、日本の文化として「あっても」いいじゃない。理屈なんてどうでもいいんです。昔からあるものだから・・・。それでいいんじゃない。

もうひとつ、お知らせです。ぼくが、坐禅でお世話になっている「太山寺」で来月イベントがあるらしいです。

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「極楽の里で学び、あそぼう!~太山寺まつり~」日程は、5月11日(土)、12日(日)。です。

さて、さて、さて、ついに、文庫本になりました。村上春樹の「騎士団長殺し」全4巻です。「第1部 顕れるイデア編 上・下」が3月発売。第2部は、4月発売らしいです。って、もう書店にあるのかな?

『「イデア」とは、「見られたもの、知られたもの、姿、形の意」プラトン哲学で、時空を超越した非物体的、絶対的な永遠の実在。感覚的世界の個物の原型とされ、純粋な理性的思考によって認識できるとされる。中世のキリスト教神学では諸物の原型として神の中に存在するとされ、近世になると観念や理念の意で用いられるようになった。』

 けだし、難解にして、意味不明なり。

肖像画家である「私」(36歳)。突然、6年間、ともに暮らした妻から離婚を求められた。そのあと、「私」は、東日本を放浪の旅に出たが、その旅にも疲れ友人の雨田正彦の父である具彦(高名な日本画家)が所有する別荘に仮住まいすることとなった。あるとき、その別荘の屋根裏で、具彦氏の「騎士団長殺し」というタイトルの日本画を発見した。

そのころ、近くの別荘に住むIT企業家の免色渉(メンシキワタル)から肖像画の依頼を受けた。肖像画は描かないと決めていた「私」だったが、法外な報酬を提示され、心が動いた。そして、免色氏が肖像画のモデルとして訪れるようになって奇妙な出来事が起こり始めます。

夜中の2時ごろ、「鈴の音」が聞こえ始めました。そして、その「鈴の音」の正体を免色氏とともに見つけましたが、それは、この物語の「はじまり」にしか過ぎないのです。

「鈴の音」の正体は、別荘の庭の石塔の下の「石室」にあったひとつの「鈴」だったのです。でも、その鈴が、どうして鳴っていたのか?まだまだ、小説は序章に過ぎない。

これから、どう展開するのか?今、「第1部 下」を読んでいます。乞うご期待。