「サブマリン」

「サブマリン」
伊坂幸太郎
講談社文庫
2019年4月16日第1刷

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1週間が過ぎました。

とても、忙しく動き回って疲れました。会社では、個室でノンビリと阪神高速を眺めていたのですが、やりたい事に手当たり次第、チョッカイをかけていたら目が回りました。まあ、これから取捨選択しながら落ち着いていくのでしょう。

そうそう、わが家で購読?していた朝日新聞を止めました。ぼくは、家で新聞をほとんど読んでいなかったので、久しぶりに朝日新聞を読んで愕然としました。もはや、朝日新聞は公平・公正・中立の日刊紙ではありません。発行部数は、読売、朝日、毎日、日経、産経の順ですが、近年、日経以外は部数が減っているらしいです。

これは、PCやスマホの普及の影響でしょうが、特に、朝日の凋落が著しいようです。そりゃそうでしょう。日刊新聞として、記事、内容、社説・・・など、すべてにおいて、もはや、月額4千円の価値を認めません。そこで、会社で読み慣れた「日本経済新聞」に変更しました。月額5千円と千円高くなりますが、どうせ、払うなら・・・・ネ。おかげで、朝食前と夕食前に、じっくり新聞を読むようになりました。

なんと言っても、週末のメインレースの予想が馬柱まで掲載されているのがイイね。これ、競馬の話。「勝ち馬投票」への参加が、すっかり少なくなり、最近は、週末のメインレースのみ。これで、競馬新聞を買うのはもったいないので、これも・・・・というか、結局、これが最大の変更理由かな。あっ、それと、ぼくの商売の一つである「株取引」を充実させるには、「日経新聞」は必需品です・・・これが、ほんとの理由。

伊坂幸太郎さんの小説は、久しぶりに読みました。こんな「感じ」の小説を書く小説家だったかな?正直、やや、忘れていました。カバー裏の「あらすじ」に「家庭裁判所調査官の武藤は、・・・」と書いてあったので、とうとう、お仕事小説に「家庭裁判所調査官」まで、取り上げられたか・・・と、興味をもって読みました。

『僕たちはカウンセラーでもなければ、身柄引き受け人でも親代わりでもない。少年事件を調査し、報告すれだけだ。「だけ」と言うわりにはずいぶん大変だと自分では思うが、それでも僕たちは、「少年の人生」のすべてには対応しない。この少年はどうなるのだろうか、とその未来に思いを馳せることはあっても、基本的には、仕事として取り扱うに過ぎない。開き直るわけではなく、僕たちの仕事とはそういうものなのだ。妻が以前、「そのくらいの距離感じゃないとやっていけないでしょ」と言っていたがまさにその通りだ。』

 
なぜ、「サブマリン」というタイトルなのかを考えていた。ヒントは、帯に書かれていました。「暗い深海からの声を見つけたい」・・・二人の少年の無免許運転・・・死亡事故。担当の少年調査官の武藤は、上司の陣内とのコンビで、事件の調査を担当する。なかなか、真相を語ろうとしない少年、事件の周辺を調べているうちに、驚くべき事実がベールをはがすように明らかになってくる。

お仕事小説かと思っていたら、とんでもないミステリーでした。少年の犯罪に対する処分は、少年法により「守られている」いうよりは、教育・更生を目的としている。と、昔、刑事政策で勉強したことがあります。まさに、少年との距離感が必要だと思います。それと同時に、被害者心情とのバランスも必要です。それを担っているのが、家庭裁判所少年調査官・・・難しいお仕事です。