「世界地図の下書き」
朝井 リョウ
集英社文庫
2016年6月30日第1刷
先週の日曜日の出来事です。
いつものとおり、ぼくは、テニスをしていました。ダブルスです。ぼくのバック方向にきたボールを、回り込んで、フォアで相手のクロスサイドに打ち返すイメージだったのです。あくまで、イメージです。
ところが、そのイメージは、脆くも砕け散りました。左腰の踏ん張りがきかずに、何が起こったか判りませんが、たぶん、足がすべって、右の膝から地面に倒れ、右の肘で受け身をするような格好になってしまいました。
手っ取り早く言えば、「ころんだ」のです。テニスをやっていて、転ぶなんてことは、何年も記憶にありません。や〜、ついに、足腰が弱ってきて、踏ん張りがきかなくなってきたか、と思うと、うっすらと寂しさが脳裏をよぎりました。
おかげで、右の膝をすりむいて、血が流れています。じぇじぇじぇ・・・(もう古いか)、どうしたもんじゃろう。ぼくの身体から、赤い血が流出するのを見るのは、健康診断の血液検査のとき以来です。帰宅後に、消毒をし、絆創膏を貼って、応急手当をしましたが、その傷が、まだ、ジュクジュクして、治癒しません。
さらに、一昨日の明け方のことです。何か、左足の薬指が、ふとんに擦れて痛いな?と、思っていたら、爪が割れて血が滲んでいました。やや、またしても流血事件です。いつ、どこで、なぜ、爪が割れたのか?記憶にありません。
傷の治りは悪いし、知らぬ間に怪我はするし、これから、こんなことが多くなるのかと思うと憂鬱になっちゃいますよ。そのときのために、消毒液と各サイズの絆創膏は、常備することが肝要です。まあ、子供が小さいときは、子供の生傷は絶えませんでしたが、今度は、ぼくが、生傷がたえなくなるのでしょか?
何てことで、余談がながくなりましたが、久しぶりに朝井リョウの小説です。
舞台は、児童養護施設「青葉おひさまの家」。そこで、共同生活をする5人の子供たちの物語です。
『一班 佐緒里ちゃん 中三 一班のまとめ役
一班 麻利ちゃん 小一 ジュンヤ妹、元気、すぐ泣く
一班 淳也くん 小三 マリ兄、兄妹ともに、施設二年目
一班 美保子ちゃん 小二 大人びている 母NG
一班 太輔くん 小三 昨日来た子 ※ヨウチュウイ』
太輔の両親は、交通事故で突然亡くなり、昨日、この施設に入所しました。一班の仲間たちには、それぞれ家庭の事情がありますが、明るく、元気に、ときには、躓きながらも懸命に暮らしています。
一班のお姉さんの佐緒里ちゃんは、高校を卒業すると、施設を出て行きますが、彼女のために子供たちであるイベントを計画して、その実現に向けて奮闘します。子供たちだけで、とても実現できそうにないイベント。
子供たちのひたむきな思いに感動する作品です。不遇な子供たちが頑張る物語は、涙を誘いますが、子供たちは、もうたくさん泣いてきたのです。彼らは、これから、希望に向かって、立ち向かって生きていくのです。
子供たちは、そのときに、自分の人生という世界地図の下書きをするのでしょう。