「定年ゴジラ」 

tetu-eng2016-11-06

「定年ゴジラ
 重松 清
 講談社文庫
 2004年2月1日第11刷発行

昨年は、ベランダ菜園で冬野菜にチャレンジしましたが、残念ながら、ベランダ菜園は、2年で、閉鎖になりました。

その理由は、第一に、夏野菜のミニトマトが野鳥(たぶん、椋鳥)に、すべて、食べられてしまったこと。第二に、ぼくが、ちっとも面倒を見ないで、細君任せにしていたこと。以上です。

折角、上等の植木鉢を購入して、おしゃれなベランダ菜園で、趣味と実益の一挙両得を目指していましたが、残念でした。

いいわけをですが、もともと、ベランダは畑ほど日当たりがよくないので、野菜の生育が今ひとつであること。また、アブラムシなどの害虫がつきやすいこと。そして、最大の敵は、野鳥の存在でした。

そこで、ベランダ菜園はあきらめて、ベランダには、ベランダに適した「お花」にチェンジです。はい、ベランダガーデニング・・・これなら、細君委せでもいいみたいです。なんせ、セラミックの一個うん千円の植木鉢(5個)の活用が大事です。

文化の日に、オリーブとお花(名前が覚えられない??)を買ってきて、空いていた上等な植木鉢に植えました。??なぜ、オリーブ??これは、細君の要望です。性懲りもなく、オリーブの実の収穫を期待しています。今度は、オリーブの実がなったら、防鳥ネットをかけないとダメですね。

そして、夏には、アサガオを植えて、黄色いアサガオ(黄色いアサガオは、自然界には存在しないらしいです。)を咲かせよう。乞うご期待。

以上、余談でしたが、ベランダ菜園もベランダガーデニングも、ぼくの定年後の趣味探しです。

『あれが「濡れ落ち葉」というやつかもしれない。定年退職後、暇を持て余し人恋しさを募らせて、妻の出かける先々へ用もないのについていく、車のボンネットに貼りつく濡れ落ち葉のような夫。妻にとっては最もうっとうしい存在なのだという。山崎さんも常日頃から「『濡れ落ち葉』にだけはならないでよ」と奥さんに釘を刺されている。』

長年勤めた銀行を定年退職した山崎さん。大手私鉄が沿線開発したニュータウンくぬぎ台で、散歩に明け暮れる日々を送っている。散歩の途中で、同じような境遇の男性と、声を掛け合い、何となく、意気投合する。そんな定年退職後の男4人の姿を描いた小説です。

そう言えば、会社のOB会で、定年退職した先輩が言っていました。「あのね。定年後は、「濡れ落ち葉」になっちゃダメですよ。」「week dayは、朝、行ってきますと家を出て、夕方、ただいまって帰ること」「えっ、その間、何をしているんですか?」「うん、市民大学など、興味のある講演会なんかを聴きに行ったり、図書館に行ったり、自分で用事をつくらなきゃ」「へえ!!」

今は、神戸のニュータウンに住んで、地下鉄で通勤しています。三宮に出るのに、定期券があるから、いつでも、地下鉄には乗れます。途中下車もOK。定年後には、当然、定期券がなくなります。神戸の地下鉄は高いのでう。三宮まで、往復すると、1000円近くする。おいそれとニュータウンから出ることなんてできない。と言って、ニュータウンなんて、殺風景な町なのです。

いや、町とは言えない。町とは、雑多なものが入り交じっている集合体である。ニュータウンには、生活最低限の施設はあるが、面白くない。ただ、山あり谷ありで、散歩のコースには事欠かない。でも、そんなニュータウンで、用事を作らなくてはいけないのですね。お弁当を持って、毎日、出かける用事・・・うむ、バイトでもするか?

ぼくに出来るバイトあるかな?

この小説を読んでいると、すぐ先見える自分の姿を予見するようです。