「ずっとあなたが好きでした」

tetu-eng2018-02-18

「ずっとあなたが好きでした」
歌野 晶午
2017年12月10日第1刷
文春文庫

今冬は、数年に一度の寒さが、何度きたことか?「ラニーニャ現象」で、今年の冬は寒い?「ラニーニャ現象」ってなに?「エルニーニョ現象」は、なんどか耳にしたことがあるが・・・。ぼくは、どちらも、ことばは聞くが、残念ながら意味は知りません。

エルニーニョ現象」が発生すると、「暖冬」で「冷夏」。「ラニーニャ現象」が発生すると、「厳冬」で「猛暑」。という一般的な関係にあるらしいです。では、この現象とは何かといえば、太平洋の海水温度の変化が原因らしいです。では、なぜ、太平洋の海水温度が変化するといえば、偏西風の影響があるらしいです。では、なぜ、偏西風の影響があるかといえば、・・・・もう、地球的、宇宙的なことになるので、どうでもいいや!

ということで、この法則に従えば、今年の夏は、「猛暑」になるかも、・・・・って、昨年も関西は「猛暑」で、関東は「冷夏」だったと記憶していますが、どうなんでしょうか?ぼくは、「エルニーニョ現象」の方がすきですね。だって、冬暖かくて、夏涼しい、なんて最高じゃないですか?でも、景気動向からすれば、「ラニーニャ現象」の方がいいのかも?今年の冬は、「厳冬」のため、小売業の売上が好調のようです。

余談はこのぐらいにして、歌野晶午の「ずっとあなたが好きでした」。タイトルは、少女マンガのようですが、恋愛ミステリーです。代表作の「葉桜の季節に君を想うということ」は、サスペンス&最後には恋愛ミステリーでした。この小説は、サスペンス感はありません。そして、恋愛ミステリーと判るのは、最後の編で・・・・読者は、「あれっ」と気がつくのです。このパターンは、「葉桜の季節に君を想うということ」でも経験済みです。

読み始めから最後の編まで、13編の短編小説と思いながら、まさか、歌野晶午が、これで終わるはずはないと読み進みますが、途中で、「えっ」、ほんとにタダの恋愛短編小説?と、落胆しそうになる頃に、「あれ!あれ!」・・・・なにか変だな?と読者は気づき始めるのです。それが、「なにか?」は、種明かしになるので書けません。とにかく、「あとがき」を最初に読まないことは要注意です。

13編は、すべて年代が違う男と女の恋愛小説です。これが、ヒントです。そして、最後は、還暦を過ぎた男の恋でした。

『「笑えるだろう?還暦を過ぎた爺さんが、乙女みたいに揺れていたんだよ。そして揺れすぎて頭がおかしくなってしまったらしく、乙女のようなことを思いついてしまった。
彼女と通った思い出のあの花屋で薔薇を六十一本用意できたら、それを彼女の元に届けよう。用意できなかったら、縁がなかったものとあきらめよう。これも花占いの一つかな。そして御託宣は見てのとおりだ。」』

薔薇は十二本しか用意できなかった。すると、花屋さんに花束を渡して、「食事でもどうかな」とナンパしたのには、花屋さんもビックリ。

清少納言によると春はあけぼのだそうだが、恋もはじまりの時が一番だ。ステージに上がるときのような緊張感と高揚感がたまらない。
恋なんて、うまくいく時もあれば、うまくいかない時もある。うまくいかなかったらといって、嘆くことも涙にくれることもない。新しい恋を見つければ、はじまりの時の格別さをまた味わえる。』

ちゃんちゃん・・・・です。還暦過ぎても、こんな爺ちゃんでいたいですが・・・・おっと、もう4年も過ぎていました。