「破局」

破局

遠野 遥

文藝春秋9月特別号

 

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暑い!熱い!

 

週末、車の温度計の外気温が37℃となった。こんな経験は、初めてです。長く生きていると、暑い夏には、遭遇するし、コロナには、遭遇するし、今年は、いいことなしですね。早く、来年になって、いい年になってほしい・・・と思っていたら、

 

突然、安倍晋三首相、退任表明。28日、金曜日、午後5時の記者会見。

 

潰瘍性大腸炎の再発により、総理の職務を継続することができないと判断。この病気が、どういう病気か、詳細は知らないけれども、1月以降のコロナ対応で、余程、神経をすり減らしたのでしょう。一般に、大腸の疾患は、ストレスが大きく影響するといわれます。

 

7年半にわたる長期政権でしたが、こと株価については、日経平均が8千円台から2万2千円台になっているので、経済の立て直しは功績ありと言っていいのではないでしょうか。もちろん、日銀による異次元の金融政策など、相当、無理をしているので、いつかツケが回ってくるかもしれません。

 

ぼくは、安倍総理の地元、下関の出身なので、当然、安倍さんを応援していました。安倍さんも言っていたとおり、拉致問題憲法改正北方領土問題は、安倍さんの悲願だったので、断腸の思いでしょう。まあ、この問題は、あと1年で解決するとも思えませんが。

 

7年半安倍一強で、安定した政治を導いたのは、民主党政権で国民が政治の安定を求めるようになった結果でしょう。そういう意味では、コロナ問題、オリンピック問題、中韓問題など、これからの政権も、安定が肝要かと思いますが、これから、ぼくの大予想。菅ちゃんがピンチヒッターで2年、その後、河野ちゃんが実績を積んで、長期政権となる。どうかな?

 

余談は、ここまで、いいタイミングで「破局」です。

 

今期の芥川賞の受賞作品2作目です。

 

芥川賞には、珍しくベタベタのちょっとHな恋愛小説?というか、女性の恐ろしさをさり気なく感じてしまう官能小説?というか、男のバカさ加減を「いい加減にしろ」といいたくなる○○小説?

 

主人公の陽介は、三田の大学に通う4年生(たぶん、慶応大学、就職は公務員試験一本だから、らぶん4年生)。ラクビー部に所属し、出身高校のラクビー部のコーチもやっている。キン肉マンのスポーツ選手であり、どうも、イケメンであり、公務員志望なので頭脳・素行もそこそこの○○ボーイ。

 

高校時代からの彼女、麻衣子とは、ずっといい関係・・・だったのだが、ある時、新入生の灯(あかり)に出合い、なんとなく付き合いはじめる。灯は、清楚な感じで、麻衣子にないものを持っていた。やがて、麻衣子との関係は、疎遠となり、別れることとなった。その後、・・・

『灯はどうやら、日に日に強くなる自分の性欲に戸惑っているようだった。体がおかしくなったのではないかとか、ほかの人はこんなふうにならないのではないかとか、そういうことを考えるらしい。灯が日を追うごとに積極的になっているのは私も気づいていた。しかし私はそれは基本的に喜ばしい変化だと捉えていた。』

 

なんて、暢気なことを考えていた陽介だったが、やがて、灯にすべてを吸い取られるような生活に落ちていく。そして、破局が訪れる。

 

何事も、のめり過ぎてはいけない。ほどほどが大切である。若い時は、この節度というものが理解できていない。失敗をして初めて気づくが、手遅れにならにようにしなければならない。この小説は、自戒的な小説ですか?