「罪の余白」

「罪の余白」

芦沢 央(よう)

令和3年3月20日16版

角川文庫

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グリコワゴン 「グリコピア神戸」まで、トコトコと歩いて行ったら、グリコワゴンが止まっていました。ここでは、ポッキーやプリッツを製造しているらしいです。予約で工場見学もできるらしいですが、ぼくは、行ったことがありません。

手作りビスコの体験があるらしいので、一度は、見学してみたいものです。そうそう、ぼくは、ビスコが大好きで、机の上に常備しています。

  

東京は、オリンピックを控えて、またまた、「緊急事態宣言」です。これで、コロナ禍の無観客のオリンピックになりますね。仕方ないですよね。歴史に残る「2020東京オリンピック」になりそうです。

 

コロナ対策として、ずーーーーと、お酒が「やり玉」に挙がっています。とうとう、西村大臣の不穏当な発言で、ネット上は炎上中。野党は、これ幸いと、西村大臣への集中砲火。マスコミも、ここぞとばかりに標的糾弾。

 

これが最近の傾向ですね。森さんのときも、そうでした。とうとう、会長を辞任しましたけど。西村さんは、どうなるのでしょうか?とにかく、コロナ禍で、みなさん、イライラが募っていて、何か、悪者を見つけて、「いじめ」に走る。

 

もちろん、西村大臣の発言は、軽率だとは思います。兵庫選出議員だから肩を持つわけではないですが、コロナ担当大臣として、彼は、苦労していると思います。ぼくは、同情しますね。

 

ということで、今週の「罪の余白」は、ずばり、「いじめ」です。

『裸足の指で、かさついたコンクリートの縁を強くつかむ。白くなった指先の奥に遠く離れた地面が見えて、慌てて目を伏せた。コンクリートの灰色と、焦点がぼやけたグラウンドの緑。顎の先から滴った汗が、音もなく、長く、長く、吸い込まれていく。

 膝が留め金を外したようにがくりと折れ、肩にかかっていたはずの髪がふわりと浮くのがわかった。

 最初に思ったのは、ただ、落ちる、ということだけだった。』

 

高校生の娘「加奈」が、学校の4階から転落して、死亡した。「聡」の職場に、突然の知らせ。事故か?自殺か?妻が亡くなって、男親と娘の二人暮らし。

 

一人娘の不審死。こんなとき、あなたは、どうしますか?娘でなくても息子でも同じでしょうが、子供に先立たれるほどの不孝・・・不幸は、ないでしょう。

 

幸い、わが家は、一人息子がそれなりに育ち、もう、いい大人になっていますが、これから先だって、子供がいくつになっても、親は、子供を心配する。・・・古今東西、普遍の真理です。

 

その子供の不審死が、「いじめ」が原因かもしれない。と、思ったとき、聡は、娘の日記を探します。パスワードがわからない。(・・・専門業者に頼めば、いいのに?)でも、ついに、パソコンが起動し始める・・・。

 

芦沢さんの小説は初見ですが、「いじめ」がテーマの小説は、多々あります。仕上げは、サスペンス調ですが、うむ、ちょっと、スパイスが足らないかも。

 

それにしても、「いじめ」の張本人の「咲」が悪すぎます。「いじめる方」の身勝手さが露骨すぎますよね。

 

ここまでの「悪」って、ほんとにいますか?