「おいしいごはんが食べられますように」

「おいしいごはんが食べられますように」

高瀬 隼子

文藝春秋

九月特別号

 

唯々、修行中 右から、虞世南「孔子廟堂碑」、王義之「集字聖教序」、孫過庭「書譜」の臨書のつもり。お習字を始めて、はや3年。唯々、修行あるのみ。今夏は、午前中から30度超。汗を流しながら、タオル鉢巻きで、修行。細君、「バカじゃない!」

 

今、世界の合言葉は、「NO WAR PLEASE」です。

 

(続き、)最近、思うこと。芸事は、手ほどきをしてくれる師匠が必要。お習字、ウクレレ、ハーモニカ、テニス(これは、スクールに行っている・・・が、ちーとも、上達しない)。独学は、難しい。

 

そこで、必要なのが、先人を真似るということ。年金生活で、お教室に通うのは、手元不如意。しからば、「YouTube」のワークショップを活用する。ウクレレ、ハーモニカは、それぞれ、お気に入りチャンネルを登録しています。

 

お習字は、まだ、お気に入りをセレクト中。それよりも、楷書は、虞世南、行書は、王義之、草書は、孫過庭の真似をするのが、いいかも。ということで、その修行を始めましたが、うまく、いきませんね。まあ、ここがスタート。一朝一夕に、上手になるはずはなし。

 

とにかく、生来の生意気な性格、人様に教えを乞うことが苦手。独力で、どの程度、上達するか?どうせ、これで、飯を食うわけでもなく、残りの人生を気ままに過ごすのが、「結構」、というか、それしか無いのです。

 

て、なことを考えていたら、ふと、鴨長明の「方丈記」を読みたくなりました。

 

ここから、本題。

 

今期の芥川賞直木賞は、候補作を含めて、なんと、女性作家が大活躍。男性作家は、一人のみ。史上まれにみる出来事。もはや、文学界は、女性上位の世界。もともと、文学は女性の世界。

 

紫式部清少納言和泉式部・・・・樋口一葉与謝野晶子・・・瀬戸内寂聴田辺聖子いま、読んでいる永井路子・・・数え上げれば、枚挙にいとまない。

 

とくに、ぼくは、女性作家の作品を好みます。有川ひろ、湊かなえ辻村深月三浦しをん瀬尾まいこ原田マハ などなど、こちらも、数え上げれば、きりがない。

 

「おいしいごはんが食べられますように」は、芥川賞受賞作にしては、めずらしいタイトル。ライトノベルみたいですが、・・・?タイトルどおりに食べる、食べる・・・でも、ちょっと、おかしなことも。

 

『「わたしたちは助け合う能力をなくしていってると思うんですよね。昔、多分持っていたものを、手放していっている。その方が生きやすいから。成長として。誰かと食べるごはんより、一人で食べるごはんがおいしいのも、そのひとつで、力強く生きていくために、みんなで食べるごはんがおいしいって感じる能力は、必要でない気がして」』

 

「一人で食べるごはん」がおいしい、と思う今の若い人、これじゃ、結婚しないね。「誰かと食べるごはん」がおいしいから結婚する。食べることの楽しさを失いつつある。これは、多分、幸せなことに飽食の時代が長いからでしょうか。

 

若い人には、「ごはんを食べる」ことは、生き方の大切な一つではなくなっている。そんなことを考えさせる作品なのかな?現代の日本人への「食べる」意識の再確認かもしれない・・・これぞ、純文学。