■「坂の上の雲」の番組宣伝

坂の上の雲

■「坂の上の雲」の番組宣伝
昨日、夜10時に来年から放映予定のNHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」の番組宣伝が45分間ありました。進行司会役は、竹下景子さん(私と同年生まれ)で、ドラマでは、秋山兄弟の母親役とのことです。
坂の上の雲」は、昭和43年から48年にかけてサンケイ新聞の夕刊に掲載された新聞小説です。司馬遼太郎さんが、作家としての円熟期である40代の10年間を、この作品に捧げたと言いても過言ではない、昭和を代表する歴史小説だと思います。
単行本は全6巻で昭和43年に刊行され、私は高校3年生の時に読んだ記憶があります。単行本は、私が就職した年に自分用に購入して、私の蔵書としてガラス付きの本箱に収蔵しています。これとは、別に実家には、高校の時に読んだ初版本があるはずです。その後、文庫本が全8巻で昭和53年に刊行され、通勤時に単行本で読むのは読みづらいので、これも購入して、これは、私の机の横の本箱に本屋さんのブックカバーに自分で背表紙を書いて収蔵しており、時折、頁をめくる時があります。
私の親父が亡くなる前に、「坂の上の雲」の「敵艦見ゆ」の項が読みたいというので、文庫本の8巻目を購入して、枕の横に置いてやりましたが、親父は、ついに、それを読むことなく他界してしまいました。親父の「坂の上の雲」に対する思い入れ尋常ではなく、どこに何が書いているかを熟知しているというほどで、また、ある程度お気に入りのフレーズを諳んじるほどでした。
約40年間、親父と私の共通な愛読書だった「坂の上の雲」が、ついにテレビドラマになるということです。「親父よ。もう少し、長生きすればよかったな。」しかし、テレビドラマになると、辛口の親父のことだから、「これは違う。司馬遼の思いと違う。」などと憤慨することもあるのではないかと思います。これまで、映像化のオファーが何度もあったそうですが、司馬さんは、「映像化すると戦争の勇ましさだけが強調される。それは、この小説の意図ではない。」と拒絶されていたようです。
さて、漸くクランクインした「坂の上の雲」の撮影ですが、放映は来年、2009年の秋からだそうです。しかも、2010年まで3年間かけて撮影して、放映も、3年がかりの放映で、各回90分で全13回だそうです。
2009年秋放映予定 第1回〜第5回
2010年秋放映予定 第6回〜第9回
2011年秋放映予定 第10回〜第13回。
それぞれ、秋が放映予定となっているので、それぞれの年の秋に連続して放映されるのでしょう。

「まことに小さな国が、開花期を迎えようとしている。
 この物語の主人公は、あるいはこの時代の小さな日本ということになるかもしれないが、」

から、この物語が始まります。
これだけ壮大な小説の映像化は、難しいということも聞いたことがありますが、どういった仕上がりになるのか、楽しみです。親父の読みたいと言った「敵艦見ゆ」は、第12回の予定なので、その時には、千の風に乗って我が家に見に来ればいい。