「空飛ぶ広報室」

tetu-eng2016-06-19

空飛ぶ広報室
有川 浩
冬幻舎文庫
平成28年4月25日初版発行

久しぶりに熱発しました。と言っても、微熱ですが・・・。そもそも、前夜に「ある会合」で、鰹のたたき、鯖の刺身などを食べながら、ワイワイ楽しく過ごしたのですが、翌朝、酷いゲーリー・クーパーになって、昼過ぎまで、その状態。

幸い、腹痛はなかったので、なんとか会社には行きましたが、会社でも「しんどい、しんどい」。何とか退社時間まで頑張って、帰宅して体温を測ってみると、微熱状態。何だ、これで、しんどかったのかと思い、風邪薬を飲んで、就寝。翌朝、汗をびっしりとかいて、なんだか、スッキリ。

いったい、何だったのでしょうか?ゲーリー・クーパーの原因は、鯖じゃないか説、風邪じゃないか説いろいろありますが、まあ、これも収まって一安心です。季節の変わり目、みなさんも、体調には十分に留意して下さい。

待ちに待った「空飛ぶ広報室」の文庫本が発売されました。有川浩さんの自衛隊三部作の三作目です。2年前かな?テレビドラマで放映(航空幕僚監部広報室空井大祐二尉役 綾野 剛、帝都テレビディレクター稲葉リカ役 新垣結衣)されましたが、その原作本です。このドラマ、おもしろかったです。なんと言っても、ガッキーが、かわゆいネ。

防衛省航空幕僚監部広報室で航空自衛隊の広報を担当する職員の物語です。

『「我々の使命は国民の皆さんに自衛隊のことを知っていただき、活動にご理解をいただくことです。そのためにも、自衛隊の装備がきちんと運用されていることをできる限り国民の皆さんにご報告していかねばなりません。適切な要請への取材協力は、我々の使命にも適うものですし、公共の利益に繋がるものとおもわれます」』

空井二尉は、戦闘機のパイロットからブルーインパレスのパイロットを目指していましたが、不慮の事故によりP免(パイロット罷免)となり、広報室に配属されました。そこで、報道から外されてバラエティの防衛省担当となった帝都テレビディレクターの稲葉と出会います。自衛隊について知識のない稲葉に対して、空井は、自衛隊のイロハを指導します。そして、広報室の必要性についても、

『「各メデイアへの広報活動そのものに対して疑問はないでしょうか?広報室を運営すること自体が無駄な労力だという意見もあると思うのですが・・・」
自衛隊の内部でもそういう意見はありますよ。ただ、国民の理解があると自衛隊は有事の際に活動しやすくなるんです。例えば災害派遣でも、理解してくれ人が多いと少ないでは出動までに要する時間が違うことがあるんです」』

ふむふむ、確かに、各省庁には、広報室があると思いますが、国民のためにやるべきことは同じかもしれませんが、国民の側からすると何をやっているのか、解らないでは、これも困りものです。したがって、各省庁において、どのような政策を行っているかを分かり易く正確に伝えることは大切なことです。

余談ですが、むかし、むかし、広報を担当しているときに、ある新聞記者から言われました、「新聞は、中学生レベルを標準読者と想定して記事を書くので、専門的、技術的な内容は、広報担当者が理解して、分かり易く説明して欲しい」って、そのときは、「でもね、新聞記者も勉強して、理解する努力が必要じゃない」なんて、思いましたが・・・。最近の報道は、記者クラブの配付資料の丸写しが多いと聞きますが・・・・?

物語のエンディングは「あの日の松島」です。

『「自衛官の缶メシが冷たいのは、被災者の食事を温めるために燃料を節約しているからです。僕らが冷たい缶メシを食べていることをクローズアップするんじゃなくて、自衛隊がいたら被災者は温かいごはんが食べられるということをクローズアップしてほしいんです。自衛隊は被災地に温かい食事を届ける能力があるってことを伝えてほしいんです。それはマスコミの皆さんにしかできないことです」』