小泉今日子書評集

小泉今日子書評集
小泉今日子
2015年10月25日再販発行
中央公論新社

f:id:tetu-eng:20191103145620j:plain

台風や低気圧がとおりすぎ、そして、暑さもとおりすぎ、いつの間にか、秋さえもとおりすぎようとしています。そして、冬への気配すら感じられるようになりました。西神台地を下りると、あちらこちらの柿の木が、柿の実をたわわに実らせています。この様子を見ると、「秋だね~」と、なんとなく、寂しくなるのは、ぼくだけでしょうか?

柿という果物は、果物の総合ビタミン剤といわれるほど、各種ビタミンが豊富に含まれているそうです。ぼくは、ジュクジュクに熟れた柿がすきですね。細君いわく、スーパーの選外品が、そうらしいです。それなら、それで安上がりでOKですよね。

坐禅に通っている「龍象院」の住職が、庭になっている柿を摘んでいいというので、一つ頂戴しました。子供のときに、隣家の柿を摘んで食べたところ「渋柿」だったので、1日、口がおかしくなったことがあります。「龍象院」の柿は、種ありの柿でしたが、まあまあ甘かったので、ご利益がある柿でした。

2005年から2014年「読売新聞」書評欄・・・10年間に小泉今日子が読んで書いたおすすめの97冊。

キョン2は、エッセーを数冊書いています。ぼくは、むかしから、キョン2のファンを自認しているので、そのエッセーも読みましたが、なかなかの文筆家です。彼女の場合、ゴーストライターがいるのではなく、正真正銘、彼女が書いたものらしいです。この書評も、手を入れないことが引き受ける条件だったらしいです。

97冊のうち、ぼくも、読んだ本が十数冊あったのですが、そのうち、短い書評「夕子ちゃんの近道」を引用します。彼女の書評は、むつかしい言葉はありません。しかし、まるで自分が物語の中に入り込んだような感性で、その物語を紹介しています。

『夕子ちゃんの近道
 長嶋 有
 新潮社
 私の心残りの一冊は、古道具屋に居候を始めた「僕」と、そのまわりの極々身内っぽい人たちの、なんでもないような、でもちょっとした事件のような日々を淡々と描いた長嶋有さんの連作短篇集。
 この小説に出てくる街が私は好きだ。人通りの少ない夜の道路に光る信号機とか、狭い路地の突き当たりに止めてある自転車とか。普段なら素通りしてしまうようなさりげない風景の中にこそ物語がひっそりと存在しているようで、とっても素敵に感じてしまう。』

 
書評集の読書雑感を書くのも、何だか、奇妙ですが、自分が読んだ本を、キョン2も読んだと思えば、そのとき、ぼくとキョン2は同じ世界に居たということであり、そう考えると、なんだか、ワクワクしませんか?

「純情過剰に異常♪」「渚のハイカラ人形♪」なんて、カラオケで歌っていたころが、妙に、懐かしいこの頃です。