「ひと」

「ひと」

小野寺 史宜(ふみのり)

祥伝社文庫

令和3年4月20日初版

 

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 西脇Y字路・・・横尾忠則さんの代表作「Y字路シリーズ」のパクリ(言葉が悪い)、模写・・・模写にもなっていませんね。習字でいえば、「臨書」。芸術は、すべからく「模倣」から始まります。ちなみに、横尾忠則さんは、西脇のご出身です。

 

さて、いよいよ、高齢者へのワクチン接種が本格化してきました。ぼくは、来週後半か?再来週前半頃には、接種券が送られてくるようです。それから、主治医に電話予約するか?それ以外のクリニック、集団接種、大規模接種にネット予約するか?

 

ネット予約については、事前に予約サイトの利用者登録が必要とのこと。I沢さんからの情報提供。I沢さんは、ぼく等のIT担当さんです。早速、利用者登録をしました。マイナンバー、マイナポイント、地域振興券などなど、彼からの情報提供に助けられています。

 

これからも、よろしくお願いします。

 

まあ、ワクチンは、十分に用意されているみたいです。すでに、各自治体への配送は、順次、実施されており、そこから先の各クリニックなどの動きに、目詰まりがあるようです。なんだか、結局、日本の医療体制の脆弱性が露呈しているのかも。

 

慌てなくても、そのうちには、接種することができるでしょう。インタビューでは、早く、接種して安心してスポーツクラブに行きたい・・・なんて、言っているご老体がいますが、ちょっと、違うかもしれません。欲しがりません。集団免疫を取得するまでは!

 

またしても、余談が長くなりましたが、目下の最大の関心事ですからね。

 

小野寺史宜さんの小説を読んだのは、初めてです。最近、初見の作家さんが多くなりました。そろそろ、代替わりの頃合いですかね?

 

地元は、鳥取。高二のとき、父は、猫を避けようとして自損事故で亡くなった。大二のとき、母は、突然死で亡くなった。母が亡くなったとき、東京から帰郷して、どうにか葬儀は済ませた。

 

『僕は、柏木聖輔。二十歳にして、まったくの独りになった。どうあがいても、その状況は変わらない。とりあえず、生きていかなければならない。

そこで決断した。意外と迷わなかった。大学は中退した。これまで奨学金を受けなくてよかった。心からそう思った。その意味でも母に感謝した。

仕事を探すしかない。

高卒。二十歳。資格なし。』

 

腹を空かせて、住んでいる江東区の砂町銀座をフラフラしていて、総菜屋さんでアルバイト募集を見て、お世話になることとした。一人の秋、一人の冬、一人の春・・・と思っていた。総菜屋のオヤジさん、女将さん、同僚たちは、みんないい人ばかり。偶然、鳥取の同級生とも知り合った。それでも、誰にも、頼ろうとはしない。一人で、生きていこうと思った。

 

そして、夏は、もう一人ではない。

 

『「おれたちには頼れ」

十七歳のときに父が亡くなり、二十歳のときに母が亡くなった。悲しいことはもうすべて起きてしまった。この先泣くことはないだろうと思っていた。

ちがった。

二十一歳で、僕は早くも泣いた。悲しくなくても、涙は出る。』

 

父と同じ両人を目指して、聖輔は、歩み始める。青春感動小説。好きですね~。元気が出る小説です。また、新しい作家を発掘しました。次作を期待しています。