「リボルバー」
令和5年7月10日初版
「弦楽11重奏」
第1バイオリン(3人)、第2バイオリン(3人)、ヴィオラ(3人)、チェロ(2人)の編成。
近くの図書館に併設されたホールでの『ブラボー・コンサート』
毎月、2~3回、開催されています。入場料は、何と、500円または1000円。芸術の秋に、お手軽に。クラッシクが楽しめます。
先週のこと。
いつものように、近くの図書館の学習室で、本を読んでいました。トイレ休憩のとき、どこからともなく音楽の調べが聞こえてきたので、併設されたホールへ行くと、ミニコンサートをやっていました。
そこで、途中入場。入場料は、500円也。
バイオリン、フルート、ピアノの編成で演奏曲は、ショパン:「華麗なる大円舞曲」、ベートーベン:ピアノソナタ「月光」など。
クラッシクの生演奏を聴くのは、何十年ぶりでしょうか?音楽は、好きですが、クラッシクは、学校の音楽の授業以外、ほとんど、縁のない世界でした。したがって、まったく、蘊蓄なし。
それでも、聴いていると、なんとなく心持が良いのです。そこで、今週は、細君を誘って、「弦楽11重奏」。
バッハ:「G線上のアリア」、エルガー:「花のワルツ」など、とくに、面白かったのは、ルロイ・アンダーソンという作曲家の曲。生活音を音楽にしたらしいのですが、弦を弓のつるで弾かずに、指で弾くという奏法のみでの演奏でした。
来週は、「バレエダンサー×4重奏withソプラノ歌手」。また、新しい興味が湧いてきました。
リボルバーといえば、回転式けん銃。この小説の主役ですが、ハードボイルド小説ではなく、原田マハさんのアートミステリーです。
ゴッホが、自殺に使用した「錆びたリボルバー」が、オークション会社に持ち込まれました。印象派の研究をしている高遠冴。研究対象のゴッホ、ゴーギャンにかかわる「リバルバー」の真贋とその拳銃に隠された事実の調査を行うこととなりました。
『ゴッホはオランダ人、ゴーギャンはフランス人。二人とも、十九世紀末のパリで、それまでになかった個性的な絵を描こうと意欲を燃やしたポスト印象派の画家だ。けれど、ふたりの絵は先を行き過ぎていて世の中が追いつかなかった。ゴッホは、画商をしている弟のテオに支えられながらも心身を病み、ピストル自殺してしまう。ゴーギャンは、いっときゴッホと南仏・アルルで共同制作を試みたが、意見の食い違いから決別し、最後は遠く離れた南洋の島。タヒチへたった一人赴き、孤独な生涯を閉じる。』
小説は、この二人の不遇な生涯を描きながら、「リボルバー」で、ゴッホの死の真実に迫っています。というより、ここに着目して、見事に、物語を転回しています。
芸術の秋にピッタリの「リボルバー」を手に取ってみては。