「小説・新島八重 ー新島襄とその妻ー」

tetu-eng2012-12-30

「小説・新島八重 ー新島襄とその妻ー」
福本 武久
新潮文庫
平成24年年9月1日発行
590円(税別)

平成25年のNHK大河ドラマ「八重の桜」の主人公新島八重の半生の小説です。二年前ぐらいに「新島八重」は、このブログでも、「会津ジャンヌダルク」と紹介したと思います。そして、八重を主人公とする小説、ドラマを希求したのですが、ついに、NHKがドラマ化することとなったのです。多分、私が、ブログに書いたころには、すでに、決まっていたのでしょう。併せて、昭和58年に刊行された「新島襄とその妻」が、文庫化して新潮文庫として発行されました。結論から言うと、小説と言うより、(昔でいえば)伝記ものという印象なので、八重の人物像を知ることができる読み物です。

 八重は、1845年、会津藩の砲術師範の娘として生まれ、戊辰戦争の折には、断髪、男装してスペンサー銃を持って奮戦したとのことです。その後、京都にいた兄の角馬を頼り、京都において、新島襄と知り合います。この小説は、新島襄と知り合い、結婚をして、新島襄同志社を創立、そして、亡くなるまでの襄と八重の関係を中心に書かれています。その後、八重は、明治の「ハンサム・ウーマン」と呼称されるなど女性として進歩的な活動をしたようです。特に、日清・日露戦争では、篤志看護婦となり女性として初の叙勲も受けたそうです。

 『「世の女性が炊事、洗濯や育児にかまけて、一生を終えるのは、何としても残念です」
 襄は、迎えたばかりの新妻の八重にいきなり唐突に話しかけてきた。
 「そのように私どもは、習い説かれてきたのです」
 八重が、いぶかしげに言うと、
 「長年の習慣とはいえ、困ったことです。結局は夫にとっても、それはのぞましくないことを、誰も気づいていない」襄は、注意深く八重の顔をみつめて「夫人の力はすばらしいものです。社会の変革や社交について男子以上の力があるのですよ。八重さん」』

 新島襄は、1864年、函館からアメリカに密航。アメリカでキリスト教の教育を受け、明治7年、日本にキリスト教主義の学校を設立するために帰国。その後、京都において、アメリカン・ボード(キリスト教の伝道組織)の支援を受けながら、同志社大学の創立で奔走しました。アメリカ生活での経験から、八重との関係は、レデイファーストを徹底し、例えば、人力車への乗り降りには、八重に手を添えたり、自分のことを「ジョーさん」と呼ばせたり、当時の日本の風習からすると、奇異に感じることを実践しました。そのため、周囲は、八重のことを「悪妻」の如く噂したそうです。

 話をNHK大河ドラマに戻すと、新島八重役は、綾瀬はるか新島襄役は、オダギリ・ジョーとのこと。「襄」と「ジョー」は、NHKのダジャレですか?綾瀬はるかは、私の好きな女優の一人、今年の「平清盛」の不人気を挽回してほしいものです。来年の楽しみなドラマです。もう一つ、楽しみなドラマがあります。「ビブリア古書堂の事件手帖」のドラマ化(フジテレビ・月曜21時、いわゆる「月9」)です。主人公の篠川栞子役は、剛力彩芽、五浦大輔役は、AKIRA(エグザエル)とのこと。小説では、栞子は、ロングヘアーですが、剛力彩芽は、ショートヘアーなので、ちょっと、栞子のイメージが違うかも?それでも、これも楽しみなドラマです。おまけに、小説もシリーズ第4弾が、来年2月に発売予定とのこと。これも、楽しみの一つです。

 楽しみ満載の「巳年」です。

 それでは、皆様、「dandy−papaの休日」を「来年もよろしくお願いいたします」