「検察側の罪人 上・下」

tetu-eng2018-10-14

検察側の罪人 上・下」
雫井 脩介
2018年8月10日第10刷
文春文庫

先週、投資のことを書いたら、今週、アメリカ発の世界同時株安。日経平均も1,000円下げ。10月2日(火)24,270円とリーマンショック以来の高値をつけたと思ったら、10月11日(木)22,590円。要因は、「アメリカの利上げに伴う利益確定売り」らしいです。

今年1月にも同じような現象がありました。1月23日(火)24,124円から、アメリカ発の株安で、3月23日(金)20,617円。この間、じりじりと下げ基調でした。その後、3月決算期の企業の好決算予測なども相まって株価は回復していきました。

と、言うことは、これから、3月決算の企業の中間決算が明らかになるにしたがって、この株安は戻るのではないか?少なくとも、22,000円を割り込むことにはならないと予測しているのが、素人のぼくの予測です。要するに、この1年間で、株価は10〜20%は変動するということで、その周期は、おおむね半年であった、ということです。

この変動する周期を見極めながら、株価が安いときに買って、高くなったときに売る、たった、これだけのことで小遣い銭が稼げるわけです。・・・・・が、往々にして、結果からすると高いときに(今年最安値でも)買ってしまうことが多々あるわけです。でも、損切りしたくなければ持ち続けるしかありません。

これが株取引の難しさであり、一喜一憂する面白さでもあります。そんなこんなで、ぼくは、株取引を・・・ある意味・・・楽しんでいるわけで・・・これを生活の足しにしていないということが大切なのでしょう。

雫井脩介さんの小説は初めて読みました。ミステリー小説が多く、「雫井ミステリー」として、ファンの方が多いらしいです。「検察側の罪人」は、最近、映画化されています。テレビのバラエテイで、木村拓哉二宮和也「嵐」の人気者のダブルキャストがPRしていたので、「面白そうかな?」と思って、映画は観ないで小説を読んだというわけです。

ベテラン検事の最上(木村拓哉)と新米検事の沖野(二宮和也)は、老夫婦殺害事件を担当します。その事件の参考人として松倉という男が浮かび上がってきました。驚いたことに、松倉は、時効事件となった女子中学生殺害事件を自供しました。・・・が、老夫婦殺害事件については、否認を通します。

沖野検事は、厳しい取調べを最上検事から指示され、厳しく取り調べますが、取り調べの過程で疑問を持ちはじめました。松倉、そして、この二つの事件には、なにか隠された裏がある。それがどういうことなのか?沖野は、検事として、このまま事件捜査を担当することに限界を感じていました。

この小説では、検事が、事件捜査の段階から、深く関与して、警察に指示をしていますが、実際の検察が、そこまでやるのか?どうかは?ぼくは知りませんが、少し、小説化されているのかもしれません。この小説では、凶悪事件の時効制度(現在、時効はなくなっている)と冤罪がテーマになっています。

『時効で罪の償いから逃れた男に、彼はとてつもない代償を負わせることを思いついた。
やってもいない罪で極刑を科す・・・・・およそ考えられるどんな手よりも、苛烈で凄まじい制裁方法だ。
冤罪がもたらす、血を吐くような惨苦を知り抜いている検事だからこそ、選んだ手だとも言える。
ただ一つ、それをするには、彼自身も大きな代償を払わなければならなかった。
また新たに、罪の償いから逃れる人間を作るわけにはいかなかった。
それもやはり、彼が検事だったからだ。』