「大人になったら、」

 

「大人になったら、」

畑野 智美

中公文庫

2022年4月25日第4刷

 

 

 BE ROKKO 再度公園(ふたたびこうえん)の修法ケ原池。秋には、紅葉の名所ですが、夏も、緑が綺麗です。三宮での時間調整で、久しぶりに、行ってみました。三宮から20分。池の傍に「風楽山荘」という売店があります。店主の趣味で、古いレコードをかけていました。ちょっと、癒されます。

 

 

 

今、世界の合言葉は、「NO WAR PLEASE」です。

 

安倍元総理に哀悼の念を表します。

 

大変な事件があったのに、暢気なブログを書いていますが、選挙応援中に凶弾に倒れた安倍元総理のご冥福をお祈りします。政治家としては、まさに、戦場で亡くなったわけで、武士(もののふ)として男子の本懐。と、松陰先生は言いそうですが。

 

さて、先日、仕込んだ梅シロップが出来上がりました。新潟の「藤五郎」という銘柄。紀州南高梅よりうまいぞ(梅を送ってくれた新潟の友人いわく)とのこと。

梅シロップは、砂糖水に梅の味がついたようなものですが、炭酸で割って飲むと爽やかです。夏の飲み物としては、いいかも?糖分の摂り過ぎが、ちょっと、気がかり。最近は、何でも、健康管理的思考。

梅シロップを作ったあとの「梅」が、結構、美味しい。今年は、毎日、これを一つ食べて、暑い夏を乗り切ろうか。

 

はい、いろいろ余談が多くなりましたが、ここから、「読書雑感」です。

 

畑野智美さんの小説は初見です。ストレートな感想では、江國香織さんに似た作風かな。たんに、大人の女性の心理がモチーフになっているから、そう感じるのかも。随分、昔に読んだ「号泣する準備はできていた」的な?

 

 

『何も決めず、全てから目を逸らせばいい。

 そういう人生が一番安全だ。

 会社が倒産しない限り、生きていける。

 けれど、このままではずっとひとりで、人生はただただ過ぎ去ってしまう。

 平均寿命の八十七歳と少しまで生きるとしたら、定年退職してからの二十七年と少しの間、ひとりで何をしたらいいのだろう。

 わたしが八十七歳になるころには、医療が進歩して、平均寿命は今より伸びると考えられる。健康で長生きするために、毎年ガン検診に行き、健康診断も受けている。しかし、なんのために長生きしたいのかは、わからない。』

 

 

三十五歳の女性、両親は他界、兄弟もいない。八年前に分かれて以来恋人もいない。ファミリーレストランの副店長。中学以来の友人が二人。そろそろ、これからの人生について、考えるようになった。

 

主人公、でも、まだ、若い。三十五歳、仕事も遊びも、一番、愉しい時だと思うけど。小説では、当然、臆病になっている恋愛へと発展する。心理ゲームの大人の恋愛小説。

 

こっちとらは、古希近くになると、体にもガタがきて、できていたことが、だんだん、できなくなる。出来なくなることを数えるのが「Dear Diary」になってくる。

 

小説の世界に入り込んで、ぼくは、少しは若返る。小説は、ぼくのタイムマシーン。