「大名倒産 上」

「大名倒産 上」

浅田次郎

文春文庫

2022年9月20日第2刷発行

新長田にて

新長田の「ふたば学舎」(旧二葉小学校)で和太鼓サークルの稽古があります。新長田は、大震災で火災被害にあったのですが、メイン通りから、ちょっと逸れると、古い長屋がありました。そこで、長屋の一画を手帖にスケッチ。

 

やれやれ、もう11月が、最終コーナーを回って直線コースです。といえば、この秋の競馬成績は散々です。こんな年は、珍しいですね。

 

とにかく、秋のG1レースは、全敗。競馬用の銀行口座の資金が底をついたので補充が必要な状況です。いままで、数年間、増えも減りもしないで遊べていたのに、うむ、残念。

 

仕方ないですね。昔は、少なくとも土曜日、日曜日の特別レースは、ほぼ、参加していたのですが、年金生活では、それは無理。それでも、未練たらしく、G1だけはと思って参加していますが、データー不足ですね。

 

そもそも、日経新聞の金曜日夕刊に掲載される予想頼みでは・・・・ネ。

 

もうそろそろ、完全引退かな。競馬人生50年・・・今年の有馬記念に資金を全額つぎ込んで、華々しく散ってしまうか。でも、大当たりしたら、どうしよう。てなことを考えながら、ジャパンカップの予想を読んでいます。

 

こりゃ、ダメだ。

 

今週は、「大名倒産」の上巻です。

 

「大名倒産」は、昨年かな?文藝春秋に連載されていました。月刊誌の掲載小説は、読み切りでないと、翌月は、筋を忘れてしまうので、読みませんでした、が、文庫本(上下二巻)が出版されたので、買ってみました。

 

浅田次郎さんの時代小説は、「黒書院の六兵衛」以来ですかね。いずれも、時代小説エンターテインメント。落語を聞いているようなテンポで、気楽に読める・・・それが、浅田次郎さんです。

 

時は、14代将軍の御世。ほぼほぼ、幕末。越後丹生山(にぶやま)松平家の十二代和泉守(小四郎)は、先代の隠居に伴い、急遽、跡目を継ぐことになりました。

 

急遽というのは、もともと小四郎は、お手付きの子で、母親ともども家臣に払い下げられていましたが、長子の急逝などの事情により家督を相続することになりました。

 

が、そこには、先代の大いなる陰謀が隠されています。そして、なお、かつ、このお家は、とんでもない状況でした。

 

『主命とあれば致し方なし、勘定方は青ざめながら帳面や証文を書院いっぱいに並べ、かくかくしかじか説明すること数刻に及んだ。家政の状況が明らかになったのである。

借金総額しめて二十五万両、年間の支払利息は概ね一割二分で、三万両。しかしこの数年の歳入は、せいぜい一万両であるという。』

 

平たく言えば、お家は、破産状態。この危機に、小四郎は、参勤交代のため、初のお国入りをすることになった。ところが、お金がない。そこで、大騒ぎ、例年の供回り二百名を五十名に削減。九泊十日を、なんと、五泊七日・・・ってことは、徹夜の大名行列

 

なぜか、現れた「貧乏神」もビックリの様子。

 

漸く、お国入りを果たした小四郎、さてさて、これから、この苦境を、どうやって乗り切ることが出来るのか。下巻に乞うご期待。

 

涙を流す小説もあれば、遂、クスクスと笑ってしまう小説もあります。どちらも、ぼくの好きな小説です。