「みがわり」

「みがわり」

青山七恵

令和5年1月15日初版発行

幻冬舎文庫

 

サクラ

東京では、満開のお知らせがチラホラ。こちらは、まだ、五分から七分咲きといった状況でしょうか。年々、桜の開花が早くなり、入学シーズンには、散ってしまいそうです。

あ~、面白かった。

 

WBCロスになりそうです。

 

まだ、まだ、お昼の情報番組などでは、WBCを振り返って、いろいろなエピソードを紹介しています。そのなかで、ぼくが、驚いたエピソードを紹介します。

 

勝戦、最終回、大谷翔平がクローザーとしてマウンドへ。キャッチャーは、中村悠平(ヤクルト)。マウンドで、グローブを口に当て、二人で打ち合わせ、サイン確認。

 

そのとき、最後に、大谷選手が、「甘く構えてください」と言ったらしい。

 

中村選手は、ブルペンも含めて、大谷選手の球を受けるのは、初めてだったとのこと。えっ、プロの野球で普通は考えられないことらしい。

 

そこで、大谷選手は、要するに、小細工なしに力と力の勝負で、ベースの上に投げるということを言いたかったのではないか?と、解説者の話。

 

それでも、トラウトに投げた最後の球は、ベース一個分スライドするスライダー。中村選手は、がっちり捕球。何でもないことのようだが、ここが、凄い・・・聞くまで解らないプロの凄さ。

 

もっと、聞きたい、見たい、WBCのエピソード。こんなに野球を愉しんだのは、久しぶりでした。

 

ラクビーワールドカップ、オリンピック、サッカーワールドカップ、WBCなど、スポーツは、ほんとに面白いですね、そして、にわかファンになって、にわか解説者になってしまう自分が可笑しい。

 

といことで、今週は、青山七恵さんの「みがわり」です。

 

正直に言って、読書雑感で、どのセンテンスを引用して、どのように雑感を書くのか?まったく、イメージが湧きません。

 

だいたい、この雑感を書く前に、パラパラと本をめくって、何度か、印象が強かったセンテンスなどをチェックするのですが、どうにも、ポイントがつかめません。

 

それだけ、不思議な小説でした。

 

それでも、とにかく、大筋を書いてみましょう。

 

ある裕福な家庭の奥さんが、自分の亡くなったお姉さんに「瓜二つ」の絵本作家にお姉さんの「伝記」の執筆を依頼します。

 

そして、毎週、絵本作家にお姉さんの過去の話をするのですが、ある時から、絵本作家は独自の取材に基づき、執筆を始めます。

 

そのことが、不満な依頼人は、絵本作家に余計なことをしないように、注意をします。このあたりから、小説全体の雰囲気が、なんとなくカルト的になってきました。

 

ここから先、どう小説が転回するか?それは、秘密です。最後の40ページ、読んできた320ページが、何だったのか?

 

えっ、絵本作家って誰?亡くなったお姉さんは?という結末は、読んでお楽しみください。小説も、スポーツ同様、面白いですよ。