「52ヘルツのクジラたち」

「52ヘルツのクジラたち」

町田そのこ

中公文庫

2023年5月25日初版発行

 

塩屋の洋館

久しぶりのスケッチ。以前は、毎週1枚描いていましたが、最近は、お習字の方に手を取られて、なかなか、スケッチの手が動きません。

塩屋界隈をブラリしたら、塩屋の山の手に、お墓と山の上の洋館のコントラストが面白くて、拙い絵心がくすぶられました。

水彩も、20年前の道具を長持ちさせていますが、流石に、絵の具がちびてきました。そろそろ、リニュアルしないと、発色が悪くなったような気がします。って、言うか、腕が悪いだけですね。すぐ、道具の所為にしてしまう(笑)。

 

 

先月、グループ会社から退任しました。いよいよ、正真正銘のアンケートの職業欄の「無職・年金生活者」になりました。第3の人生のスタートです。

 

日頃から、モットーにしている「貧幸」の生活を目指して、これからの人生を歩んでいきます。

 

肝心なのは、仕事のことを考えなくなるので、ボケないようにしなければなりません。その一つの対策が、ブログです。このブログのスタートは、2007年5月12日なので、かれこれ16年。

 

毎週、愚にもつかないことをグダグダと書き連ねてきましたが、週間、平均して50~100アクセスのご愛読をいただいているので、心強いし、ありがたいことです。

 

お立ち寄りいただいている皆さまに感謝。これからも、よろしくお願いします。

 

余談はここまでで、第3の人生、最初の読書雑感は、2021年の本屋大賞「52ヘルツのクジラたち」です。

 

まず、「52ヘルツのクジラ」って、どういう意味?

 

『52ヘルツのクジラ。世界で一番孤独だと言われているクジラ。その声は広大な海で確かに響いているのに、受け止める仲間はどこにもいない。誰にも届かない歌声をあげ続けているクジラは存在こそ発見されているけれど、実際の姿はいまも確認されていないという。』

 

(クジラの声の高さは(周波数)は、だいたい10から30ヘルツらしいです。)

 

母親に虐待されて声を失った「ムシ」と呼ばれる少年。その少年と心通じるものを感じた女性「キナコ」との物語。

 

すべてから逃れるようにして、大分の小さい漁村の祖母の家に移住してきた「キナコ」。あるとき、「キナコ」に助けを求める少年「ムシ」「ムシ」の体には虐待の痕があった。

 

親から見放された「ムシ」と「キナコ」の共同生活がはじまり、「キナコ」は、「ムシ」の保護者探しを始める。しかし、そこには、次々と明らかになる「ムシ」の境遇。

 

「キナコ」は、「52ヘルツのクジラ」の鳴き声をMP3プレーヤーで聴くと心が落ち着く、「ムシ」も「52ヘルツのクジラ」の鳴き声を聴きたがる。

 

孤独な「ムシ」を「52ヘルツのクジラ」と対比させる作者の町田そのこさん、「魂の番(つがい)」という言葉が、この作品の主題です。

 

町田そのこさんの作品は、初めて、読みました。過去の作品も読んでみたい。また、一人の「推し作家」になりそうです。